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邦画サントラ シリーズ 第3弾!……だがしかし、配信停止が出た為 《懐かシネマ MOVIE CHRONICLE》シリーズとしてリニューアル! 日本が生んだ、 《フーダニット》《ハウダニット》《ホワイダニット》 全てを網羅した、推理小説の中の推理小説。 横溝正史 原作の、金田一耕助 映像化の軌跡です。 「克子死ス 金田一 氏ヲヨコセ」 昭和21年、雑誌『宝石』の4月号に連載を始めた『本陣殺人事件』で、 被害者の叔父が 知人の金田一耕助 氏に電報を送った事で、推理小説界に 新たな1ページが始まりました。 また、映画界では敗戦後、 連合国軍総司令部 GHQの《日本精神》の弱体化政策から、 時代劇・武士道精神を禁止された事で、 時代劇スターは現代劇への転換を迫られました。 剣劇スターの片岡千恵蔵も然りです。 再び、映画制作を始めた東横映画 (後の東映)は『本陣殺人事件』に目をつけます。 昭和22年12月9日、GHQの指摘により『三本指の男』と改題して、 昭和21年12月号まで連載された小説を映画化して 公開しました。 「見たところ25 、6、中肉中背 というよりは いくらか小柄な青年で、 飛白の対の羽織と着物、それに縞の細い袴をはいているが、 羽織も着物も しわだらけだし、袴は襞もわからぬほど たるんでいるし、 紺足袋は爪が出そうになってるし、 下駄はちびているし、帽子は形がくずれているし……つまり、 その年頃の青年としては、おそろしく風采を構わぬ人物なのである。」 そう描写された金田一耕助の人物像は、千恵蔵のキャラクターに合わず、 アメリカの私立探偵のような、スーツに拳銃片手の《千恵蔵の当たり役》多羅尾伴内スタイルに。 当時は、くたびれた風采の人物より、 颯爽と《日本の明日》を感じさせる 者を求めていたからではないでしょうか。 この片岡千恵蔵の《金田一耕助》スタイルは、 役者が変わっても、受け継がれることになります。 当時は原作は背景に過ぎず、 片岡千恵蔵のシリーズ全6作の中には、 脚本家の比佐芳武により、犯人さえも変えられています。 61年の高倉健 主演の『悪魔の手毬唄』は、監督が原作に沿った脚本をボツにして、 原作を読んだことのない、脚本家の 結束信二 氏に、 オリジナルの『悪魔の手毬唄』を書かせ、 撮影したとの事。あの最高の原作を無視して映画化するなんて...😵 そんな金田一映画の暗黒時代は、《時代の寵児》たる角川春樹プロデューサーと、 ミステリーに理解のある 市川崑監督によって、終わります。 そして、日本映画界屈指のミステリー映画として、生まれ変わります。 『犬神家の一族』(76年)の登場です。 長田紀生によるオカルトチックな第一稿をボツにして、市川崑、日高真也で 一からやり直し。 そして、石坂浩二演じる金田一耕助は、 原作と同様のキャラクターにして、片岡千恵蔵の呪縛も断ち切ります。 編集に3ヶ月を費し、1976年10月16日に先行ロードショー。 配収15億以上を稼ぎ、同年の邦画第2位のヒットになりました。 原作に沿った映画化は、最早スーツ姿の金田一に後戻りできないくらいに定着し、 また、犯人のやむにやまれぬ哀しい運命と、 結果 それを後押ししてしまう不幸な偶然を強調し、 単なるミステリーに留まらず、濃密な人間ドラマに仕上げた事で、 多くの人の心に響くミステリー映画の金字塔になりました。 その後は、市川崑監督、石坂《金田一耕助》を踏襲した作品が、 監督を変え、金田一役を変えて続きますが、 趣向を変えたのは、野村芳太郎 監督、橋本忍 脚本の77年の松竹映画『八つ墓村』です。 舞台を現代に移し、物語の主人公 寺田辰弥 ( 萩原健一 )は空港勤務。 金田一耕助 (渥美清 )も、麦わら帽子に手拭いを首に巻いたスタイルで、 石坂スタイルに慣れた観客を驚かせました。 《津山事件》をモデルにした殺戮シーンは、 山崎努の鬼気迫る名演もあって、 他の作品の同様のシーンを寄せ付けないほどの名場面になってます。 全然、書きたらないのですが、 是非 横溝正史の金田一耕助シリーズを読んでいただきたい。 また、個人的には映画版金田一耕助シリーズの頂点は、市川崑監督の70年代の5作。 TVシリーズでは、1977年からの古谷一行の1時間枠のTBS『横溝正史シリーズ』が最高だと思います。 《選曲》 ① 『悪魔が来りて笛を吹く』(18年)……NHK BSプレミアム版 金田一耕助……吉岡秀隆 監督…………....吉田照幸 ② 『獄門島』(77年)……東宝映画作品 金田一耕助……石坂浩二 監督…………....市川崑 ③ 『悪霊島』(81年)……角川事務所 作品 金田一耕助……鹿賀丈史 監督…………….篠田正浩 ( 映画版の使用歌曲は、ビートルズの『レット・イット・ビー』と『ゲット・バック』だが、 版権の都合でDVD版では、 レオ・セイヤーの『レット・イット・ビー』、 ビリー・プレストンの『ゲット・バック』 に変更されてます。) ④⑤⑥ 『八つ墓村』(77年)……松竹映画 金田一耕助……渥美清 監督…………....野村芳太郎 ⑦ 『悪魔の手毬唄』(77年)……東宝映画作品 金田一耕助……石坂浩二 監督…………....市川崑 ⑧ 『犬神家の一族』(76年)……角川事務所作品 金田一耕助……石坂浩二 監督…………....市川崑
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