雨のお買い出し。

雨が降っている。ティップタップでは無く、散々降っている。風も殴りつけるように吹いている。そんな外を見て、今晩の夕食の献立を思い付ける人はいるのかしら、と思う。少し寒さも感じる。でも気分は重いのでコッテリしたものは受け付けない。でも子供たちはトンカツとか食べたいのだろうな、と思いつつ、私はさっぱりしたものが食べたい。すると、ふと思い出す。子供たちは2人とも夜は塾だった。それなら2人には軽いものを食べてもらい、送り出してから大人はゆっくり食べれば良い、と。少し気分が軽くなってから冷蔵庫の中を見て(見るまでもないのだが)、豆腐、ねぎ、卵、ほうれん草があるのを確かめて、夕食は湯豆腐に決めた。身体が「良し」と返してくる。付け合わせには、だし巻き卵、ほうれん草のおひたし、きゅうりと塩昆布の浅漬け、番茶に羊羮なんて感じで、はまりだすと夕食パズルはパタパタ完成する。「あっ！」と思い、米びつを見ると「お米がな～い…」。財布、鍵、買い物袋をポケットに入れて、雨靴、雨合羽、傘、を装着してため息をつき、身体を丸めたまま冷めた目で私を見送る猫と犬に「何っ！？」と返しつつ家を出る。何故か振り出しに戻った夕食の献立を自転車漕ぎつつギーコギーコ思い巡らす。