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説明文

雨の台南の夜。僕は路地沿いの少し古風なレストランで君に見つかった。人類が一度絶滅してもいいくらいの時が、二人の間に流れていたのに、君の変わらない笑顔に驚いた。あの心がどーんって開いた笑い顔、楽しそうな声。逆に緊張したよ。君が僕を見つけたんだ。お互いに連れがいたから控えめな挨拶になるかと思えば、それを軽くポーンって越えてくる声、こっちが気後れした表情をしても笑顔で受け止められる性根は相変わらず、君の連れもその笑顔を見て、それがいつもの君である様子でこちらに笑顔を送ったよ。あ~っ何か忘れてた感情を思い出した。あの頃、君がいたから僕も心から笑えたんだ。その衝撃で僕の言葉は空回り、古い友人とかわすべきプロトコールに沿った挨拶を送ってそれぞれのテーブルに分かれた。君が窓側、僕らは一つテーブルを挟んだ奥だったけど、そっちを見なくてもはっきりと伝わる君たちの賑やかさと明るさ。離れて座ってたこっちもつられて、何か華やかな気分で料理は進み笑顔になった。なあ、人は誰も悲しみや苦しみの中で生きているのだろう?帰りの車で思ったよ。多分、君も僕もお互いの連れも満腹になってたと思う。そうだろう?料理は最高だった。コックも給仕も雰囲気のいい小さな店の中で、それに似合わないくらいてんてこ舞いしてたよ。酒杯も空を飛ぶようにテーブルを行き交ってた。先に席を立った僕と連れは、コックと給仕に今夜の労苦に労いの声をかけ料理を称え、君たちのテーブルに寄って、最後の挨拶をかわした。本当にこれが最後の挨拶だ。でも君はまた明日の朝、行く道で会えるかのような言葉を笑顔で返してくれた。だから思ったんだ、避け得ない人の苦しみの中で君はとてつもないやさしさという元気を見せてくれる。だから、知りたい。君の最高の悲しみは何?もしかして、この問いは君を傷付けるだろうか?
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