歌詞が小説みたく物語になっている、
もしくは情景描写が秀逸で、
心を射抜くフレーズのある曲を選びました。
1曲目の
『きっとはじまりの季節』は、
新潟市の古町を拠点とする4人組アイドル、RYUTistが、
2019年にリリースした8thシングル。
この曲は、
KIRINJIの弓木英梨乃が作詞作曲を担当していて、
爽やかなのに、
どこか切なさを感じさせる隠れた名曲です。
"踊る風花を 陽射しは切り取る
ズボンが乾いたら
家を出る
犬は喜び 鼻向けて
尾振り
気づいたらゆけばいい
いつでも変われるさ
新しい船を建て
胸焦がして旅するわ
はじめてだった こんな大事なもの
今がきっと はじまりの季節"
弓木による
新たな旅立ちを感じさせる歌詞が
本当に素晴らしいし、
爽やかに寄り添うような
ピアノとストリングスも印象的です。
RYUTistは、
2024年に全メンバーが卒業、
無期限の活動休止となりましたが、
アイドルの中でも「楽曲派」と呼ばれ、
本当に質の高い名曲が多いので、
是非とも触れてみて欲しいです。
3曲目の
『Hacking to the Gate』は、
アニソンシンガーの
いとうかなこが2011年にリリースしたシングル。
TVアニメ「STEINS;GATE」の主題歌。
めちゃくちゃハマったアニメです。
これ、歌詞が物語の内容とリンクしていて、
アニメの中盤まで見ると、
2番の歌詞の内容が理解できるという仕掛けが施してあって、
すごく良く出来ています。
(なんと原作者の志倉千代丸が、作詞作曲まで手掛けているのです。なんという才能!)
そして、
胸踊るイントロから、
いとうかなこの圧倒的な歌唱力によって、
否応なく
物語に引きこまれていくのです。
"数十億もの 鼓動の数さえ
あなたには 瞬き程度の些事な等級
過去に囚われて 未来を嘆くも
塵一つ 誤算を許さぬ必然
「無限」に広がる夢も 描く未来も
僕達に許された 虚栄の権利
「有限」それは二つの 針が示す
残酷な約定と 選択へ
Hacking to the Gate
だからいま 1秒ごとに
世界線を超えて
君のその笑顔 守りたいのさ
そしてまた 悲しみの無い
時間のループへと
飲み込まれてゆく
孤独の観測者"
ふとしたことで
タイムマシンを作ってしまった
発明好きの冴えない大学生の岡部倫太郎。
世紀の大発明に有頂天になり、
軽い気持ちから
何度か過去に干渉してしまう。
その結果、世界線に歪みが生じ、
未来はどんどん悲惨な事態へと向かっていってしまいます。
歌詞にある
「孤独な観測者」とは
主人公の岡部倫太郎のこと。
彼は悲劇を回避するため、時空を超え、
孤独な戦いへと身を投じていくのです。
このアニメを観て、
「世界線」という言葉をリアルに知りました(笑)
あと、昔の秋葉原が舞台なので、
メイド喫茶のハシリとか、
要所で出てくる
オタク文化も勉強になります(笑)
10曲目の
『ヤードセールの元老』は、
4人組ガレージロックバンド、
The Pinballsが
2015年にリリースしたアルバム
「さよなら20世紀」に収録。
現在活動休止中ですが、
最近では、
かなりハマったバンドです。
彼らをひと言で言い表すと、
メロディーセンスが
とにかくズバ抜けて良いバンドかな〜。
ロックが持つ
いかがわしさや禍々しさを表した歌詞と共に、
それとは真逆の
物語性を感じさせる
ロマンチシズム溢れる世界観の曲も多くて、
ほんと特筆すべき
武器が5つも6つもある、
非常に稀で
魅力的なバンドなのです。
(Vo古川貴之の歌心溢れるハスキーVoiceも最高にカッコ良い)
『ヤードセールの元老』は、
怪しくいかがわしい骨董屋が
イメージとして浮かんでくる
歌詞の世界観がたまりません。
"元老はクリーピーな
深紫のズートスーツ
アライグマと洗ったブーツ
やぐるまぎくのブローチ
オークショニアのよう
儀礼的なスタイルで
待ちに待った人々に
売りに出してる
元老のヤードセール
ワードローブや蓄音機や
真鍮(ブラス)フックや
ピンボールが
目が眩むように並ぶ
元老のヤードセール
ホラー映画のピンナップや
スケート靴やハイヒールの
競売(ロッド)ナンバーを叫ぶ
ヤードセールの元老"
彼らの歌詞の殆どが物語性を感じさせてくれるのだけど、
この曲は、
中でも出色の出来。
(「劇場支配人のテーマ」と共に)
僕はこの物語だけで、
白めし三杯は余裕です。
(歌詞の最後の、客が値段を値切り、
元老が様子を伺いながら値段を下げていく2人のやりとりがカッコ良過ぎます)
13曲目の
『くるみパン』は、
エヴァの惣流・アスカ・ラングレー役でお馴染みの
声優・宮村優子が、
1996年にリリースした3rdシングル。
本業の声優業の実績も勿論スゴイのだけど、
実は宮村優子は、
歌手、アーティストとしての作品が
本当に名作だらけで、
そこのところが
正当に評価されてないと感じています。
初期の可愛いアイドル系楽曲から
アニソン、渋谷系、ロック系、パンク系、歌謡曲系、フレンチポップ系、
エレポップ、ポエトリー・リーディングなど、
ジャンルレスで
アルバムごとに
いろいろなミュージシャンと様々な挑戦をしていて、
本当に才気溢れる人なのです。
『くるみパン』は、
宮村優子のキュートさ全開の
渋谷系アイドルソングです。
"ランチボックス持って
ふたりでバスに乗った
くるみパンが好きって
たしか言ってたモンね
海を見に行こうって
誰にも内緒だって
あなたの考えた
秘密の計画
バスの窓から
見つけた海辺
ランチ ひろげて
「ごめんね…」
本当は ママに
作ってもらったの
くるみパンの味って
お日様みたいだって
ふいにあなたは言って
まぶしく笑った"
情景の浮かんでくる歌詞も秀逸なんだけど、
やはり声の魅力がスンゴイ。
切ない物語を
カラッと歌い上げる説得力。
さすが人気声優。
本当は綾波レイをやりたかった彼女ですが、
僕は宮村優子だから
アスカが推しになりました。
今でも僕にとってのアイドルは宮村優子です。
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