マグカップの底 こびりついたような寂しさを ただ見つめていた 青く脆い空 映した心湖みたいに ぽっかり浮かんだ あの子の悲しみも知らない どうして どうして 抱きしめて ひとつになれなくても 隣にいて 溶け合わないとしても 教えてくれた 優しい声が あなたの色を生きて、と 砂漠の真ん中 置いてかれたような寂しさが まだ消えないまま 立ち入り禁止の 誰かの孤独に踏み込んでしまった パスポートも持たずに あの子の痛みも知らない それでも それでも 抱きしめて 分かり合えなくても 隣にいて マーブルみたいに 混ざりあう命に 色づいてゆく 名前のない悲しみや痛みが 形のない喜びや幸せが 溢れて止まらないんだ 足りない言葉で伝えたいんだ 優しい人になりたいだけだ 抱きしめて ひとつになれなくても 抱きしめるよ あなたは夜明け 新しい光が あなたの瞳が 朝の背を押している