ずいぶんと長くこの街には雨が 降っていない 砂にまみれた強い記憶の端が 燃えていく 狂おしい程に貴女の描いた線は 鮮やかで 最低な僕はそれを盗んでしまおうと 思った 手に取ればそれは思うよりも 悲しい色をしてて 歪み滲む度声をあげてしまう 程痛そうだ 炎天が終わらないまま 砂の中焼けつく淡白い肌 揺れる影が笑ってたって 逆光の闇で絶えず雨は降っていた どうしても人は己が愛おしくて 堪らない 仄めかす最後 幾度も繰り返されてきた飯事 後ろめたいなんて思っちゃいない ただじっと立ってただけ 傍観者にすら カウントされなくていい 間違わない度に染みた美学 剥がせなくなってもう 愛せなくなったよ 悲しい生き物ね 溢していた貴女が悲しすぎて 小さな背の向こう その全てを憎んでしまいそうだ 炎天が終わらないまま 砂の中焼けつく淡白い肌 伸ばした手を攘って言った もう全部間違えさせて欲しい 炎天が熱を増して 砂の街焼けつくか細い身体 こちらを見て笑ってたって 最低なんだ 僕から雨を奪って ずいぶんと長くこの街には雨が 降っていない 砂にまみれた強い記憶の端が消えて