真下の影が伸びるように 日は少し落ちていく 下校時間に見つけた ビニール傘思い出す 反対方向の道には あの子の影が見えていて 何の気なしに追っていた 視界は少し恥ずかしげ すこしづつ離れる あの日の影には及ばない 陽炎思い出ごと 揺らめき出すのは 陽炎都合の良い ことばかり数える 突然雨に降られてさ 抱えて帰る中身には 小さな布と鉛筆で その以外には何もない 見栄を張っては少しだけ 嘘をついて泥だらけ 感受性とは名ばかり 傷だらけの膝小僧 少しづつ慣れてく 騙すためのひどい嘘 陽炎思い出ごと 揺らめき出すのは 陽炎都合の良い ことばかり数える 陽炎思い出ごと 揺らめき出すのは 夏のせい 陽炎都合の良い 苦し紛れ蝉の声