おれだけのだれか

歌詞

まるで父や 母に眠りにつれていかれる 子供のように まるで父や 母に眠りにつれていかれる 子供のように 「死にはしない」 と誰かがささやく耳元に口を寄せて 小さく 小さく 小さく 聞こえないぐらい 小さく だけれど俺にはたしかに聞こえる 俺にだけはたしかに聞こえる 誰にもけっして教えない 俺だけの誰か 「誰かって誰?」 と聞かれたところで 顔も姿も形もない ただ たしかな たしかな 確かめたくもない答えを 思い知るたびに聞こえてくるのは あの声 そう 「死にはしない 死にはしない」 まるで父や 母に眠りにつれていかれる 子供のように なだめ聞かせ 寝かしつける 恐怖 焦り 汗 涙 おびえているのは ふるえているのは どこかのだれか 自分以外だと 決めつけわらって いつでもそうして やり過ごしてきた やり過ごしていく 社会生活 日常 衝動 麻痺させる 平和裏に心臓を静め にっこり笑って あいさつする 俺は気違いじゃない 一人の良き市民 勤労・納税あと何だっけ? 教育・訓練された市民 「死にはしない」 と誰かがささやく耳元に口を寄せて 小さく 小さく 小さく 聞こえないぐらい 小さく だけれど俺にはたしかに聞こえる 俺にだけはたしかに聞こえる 誰にもけっして教えない 俺だけの誰か 「誰かって誰?」 と聞かれたところで 顔も姿も形もない ただ たしかな たしかな 確かめたくもない答えを 思い知るたびに聞こえてくるのは あの声 そう 「死にはしない 死にはしない」 だいじょうぶ だいじょうぶ 問題ない 深呼吸 数をこなせば すぐに慣れる 経験を積めば 問題ない なんてこともなくなり なにも感じないようになり 害虫駆除と大差なく いまにはじまったことじゃなく 労働 ノルマ 義務 給与 安定 結婚 住宅ローン 子孫 繁栄 命日(メーデー) 絶対安全神話が絶対言わない 「フィクションです」 保証もクソもない未来 いまにはじまったことじゃなく よくある 多々ある——【死人に口なし】 嘘みたいな本当 クソみたいな出来事 似たような話 またいつもの話 サイズやパターンの違い SかMかLかX 小さな違いが大違い だけれど すべて どうでもよければかまわない 「死にはしない」 と誰かがささやく耳元に口を寄せて 小さく 小さく 小さく 聞こえないぐらい 小さく だけれど俺にはたしかに聞こえる 俺にだけはたしかに聞こえる 誰にもけっして教えない 俺だけの誰か 「誰かって誰?」 と聞かれたところで 顔も姿も形もない ただ たしかな たしかな 確かめたくもない答えを 思い知るたびに聞こえてくるのは あの声 そう 「死にはしない 死にはしない」 死にはしない 死にはしない