雨粒が踊るアスファルト スリッパ片方だけ履いて 怒りと涙の間で 私 家出したの 23時ちょうど 味噌汁に文句言うなんて あんたほんと バカねって テレビの音を背にして 玄関飛び出したサンダルで 交番の前で深呼吸 「どうしたの?」って聞かれても 人生はそうね スリッパみたいに 片方じゃ歩けないの サンダルで逃げた夜は 自由と孤独の間 笑い飛ばせたら 恋も軽くなる 雨よ 洗ってくれるかな パチンコ屋のネオン下 ポテチと麦茶で反省会 あの人の弱さに腹立てて でもちょっと 寂しくなる タクシーが止まった交差点 「帰るの?」って心が言う 履き慣れた愛を 脱ぎ捨てても 素足の夜は冷たいの サンダルで逃げた夜は 愛と未練の間 転がる小石に つまずいてみても 今は 私のステージ サックスが泣いてる 商店街のシャッター街 笑えるような 泣けるような 人生って レコードの針みたい サンダルで逃げた夜は 新しい私の予感 笑って言えるよ 「ただいま」って 次の朝には 味噌汁作るわ スリッパ並べて 眠る部屋 雨音だけが 優しい伴奏 逃げた夜を 歌に変えて 私はまた 戻るのよ
