善性

歌詞

善い奴だとか、可笑しいな もし本当にそうだと言うのなら 絶望した顔で生きていないでさ 未来ある未来ない子どもたちへ 臓器の一つでも差し出してさ、 無償の愛とやらで救ってよ そうやって押し付けた生命の、 善性が行く末を示してくれ 皆皆、身勝手だ 少なからずに他人に理想を抱いて オメでたい頭で何よりですね たくましい妄想、懲りないね 不可侵な筈の他者の境界を 曖昧にしたいんだろう? 「あなた、優しい人ですね」なんて 型に嵌めてしまわないでよ 与えられた形じゃどうも 窮屈で仕様がない 賽は無責任に宙を舞って 揺れ動く思考で荒れる出目が 定まらない運命を決め兼ねて さあ、 明日の自分はどちら様でしょうね? 不完全だ、何もかも ひどく脆い信頼性の担保 聖者ならばいざ知らず 言葉に裏があるのは付き 物のようで。 自覚があるなら騙し合い 否と言うなら尚、質が悪い 物事は全て天秤の上 振り切ることなどそうありはしない 皆皆、身勝手だ 御しやすいようレッテル貼りあって 劣等感をかき消すように 自分からも目を反らすように 他人の善性に自分を重ねて 安心したいんだろう? 「貴方らしく生きて」なんて 今更そんなこと言ったって、ねぇ? 生まれ育った自分じゃどうも 窮屈で仕様がない 愚者か求道者かまた占って 嵩を増すいくつもの可能性が 振り切れない天秤で揺れている さぁ、 明日の自分はどちら様でしょうね? 盲信の先の思考停止 獣と何が違うのでしょう? ルールも常識も善悪も 所詮は人のための所作よ 巨悪が狂気に映るように 善も過ぎたれば醜悪だ それでも天秤が振り切れるのを 望み、他人に押し付けますか? 「君は、善い人でありなさい」 なんて 枷を嵌めてしまわないでよ 与えられた呪縛がどうも 窮屈で仕様がない 賽も秤も匙を投げ出して 均衡が崩れて壊れたのでしょう 揶揄するように、崩れた今だ。 さぁ、明日の自分はどちら様? 「優しい人ですね」なんて、 「貴方らしく生きて」だなんて ねぇ、与えられた言葉がどうも ゾンザイで仕様がない 匙を投げ 出したのはあんたでしょう? 中身の理解を怠って、ねぇ 他人の善性に自分を重ねて さぁ、 今のあんたはどちら様でしょうね?