君に書いた手紙を引き 出しにしまったまま 言葉にすれば壊れそうでペンを 止めた 何度も書き直しては 名前の綴りをなぞる 返事なんていらなかったのに なぜ怖かったんだろう 手紙は出さずに燃やした 真夜中のベランダでひとり 言葉が灰になって、煙が舞った 届ける勇気もなかったくせに いつまでも君を想ってた その未練さえ焼き尽くしたくて でも燃え残ったのは 名前のあとに書いた「さようなら」 喧騒のなかに立ち尽くして 君の好きだった店の前で 窓越しに似た後ろ姿 つい目を逸らした これで終わりだと信じたのに 手紙は出さずに燃やした 伝えないままの「ありがとう」 言えば楽になるのかさえ もう分からなかった 文字にできなかった想いが 最後まで残ってしまったよ 君を想う時間が 僕を一番生かしていたのに If I could tell you now, would it change anything?
