瞬け幽けき未知よ まだ観ぬ先に生まれる火よ 悪しき孤独の旅路よ 路傍に刻まれた碑句は 「運命に諛うこと勿れ」 眩い虚無 その瞳を閉じれば 風に揺れる季語が空で鳴いている 今はいないあの人の そして 名前すらもない気持ちの動きが 今日も明日を呼んでいる 怨とsignifierの鏡像 何処まで涙を誘うのか 躊躇い傷はいつまで 何故この胸焦がすのか 「運命に抗うこと勿れ」 そう諭す人の群衆がいつでも 風に揺れる季語が今日も泣いている 時に情けない色で そして名前も知らない花の匂いすら 今日も明日を呼んでいる 今日も明日を呼んでいる
