「あの境界線を越えてゆけ」 そう語った日は 何者にもなれた 喉に滲みる 苦味を 毒であると まだ感じきれるままで 酸いも甘いも全部 噛みしめるたび すり減ってく 褪せてく 味蕾に 意味はないか? 呆けていた時間を 襲う刺激が 私を あなたを 卑屈に塗り替えてゆく 時に寛容であればと 思い願うこと 求められること 煽られてく期待は すでに価値ある うま味などない 口に残る香りを 水で流し込み 紛らわす日々 消化できぬ違いと 残る脂味が胃にもたれてゆく 好きになること 嫌いになること どれもが成長の 一つであるなら ただそれを楽しみたい せめて私が感じ取れるところで 酸いも甘いも全部 噛みしめるたび すり減ってく 褪せてく 味蕾に 意味はないか? 呆けていた時間を 襲う刺激が 私を あなたを 卑屈に塗り替えてる しょっぱい顔して 奇をてらえるほど 私も あなたも そんなに 強くないし 歯がゆい今が全てじゃないと 私も あなたも 自分で 信じるしかないじゃない
