集中線と見間違えるように景色は 過ぎて いつの間にやら止まることすら 忘れて 最前線はかすかに 見えるような見えないような 窓に映り込むのは死神のマスク 希望はやがて消え 静かに夜の帷が降りた そこから始まりだ 思い出よ 灰になれ ギトギトの油をさしてもかかる エンジンが 巨大な音をたてやがて 動かなくなった 鞭打つ手を 止めそっといたわるように 「もう少しだけもう少しだけ」と 繰り返し願った 炎はまぼろしで その魔法はもう効かないけれど 積み上げた朝日が 傷跡が かき立てる 才能の暴力そう暴力そう暴力そう 暴力 まだ間に合う?まだ間に合う? もう手遅れもう手遅れ もう少しだけもう少しだけ もう少しだけもう少しだけ 死神が笑う死神が笑う死神が笑う 希望はやがて消え 静かに夜の帷が降りた そこから始まりだ 思い出よ 灰になれ 集中線と見間違えるように景色は 過ぎて 夜の高速を包む異様な高揚感 朝日はどっかで今も息をしている 死神が見ている もう少しだけもう少しだけもう 少しだけ
