ずっとずっと 恥ずかしかったひとりぼっちの 移動教室 ずっとずっと何も言えなかった 休み時間 体育の時間に 二人一組になってくださいと 言われて 残ってた私とゆみちゃんはそこで 初めて喋った ロシア人とのハーフなのって 言ってたのほんとだったの? 踊り場でどうして私にこっそり タトゥーを見せたの? 最初はちょっと 怖かったんだゆみちゃんのこと 目も髪も肌も滑らかに鋭く光ってて 顔にはいつも傷があったし 脚にはあざがあったし 嫌なものを嫌だと表す 熱意に溢れてて なんでわざわざ 怒られるようなことばかりするの? なんで私のことを 見ていてくれるの? 手を繋いで廊下を走ろうよって 言ったゆみちゃんの 手を握り返さなかった 14 歳の私 ゆみちゃんの左手が私の右手を振り 解いて それからはどちらともなく 目を合わせないまま すれ違っても気づかないふり 卒業してからはどこで何をしてるの 地元のタワレコでゆみちゃんを見た 胸が飛び出すほど素敵な景色だった 今でも 忘れられない試聴のヘッドホンに 黒のレザージャケットが 似合いすぎていて いつまでも憧れのゆみちゃん 大人になっても憧れのゆみちゃん またどこかですれ違っても きっと気づかないふり
