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Jessie Ware

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バイオグラフィ

南ロンドン出身。母親が持っていたフランク・シナトラやエラ・フィッツジェラルドのテープに魅了され歌い始め、伝統的な音楽教育をうけるようになるが、大学を入学を機に歌手への夢を保留。しかし、古くからの友人であるジャック・ペニャーテからの誘いで、彼のツアーに同行し、自信を取り戻す。そしてジャックのギタリストがサブトラクトを紹介し、「Nervous」が制作される。その後PMRと契約、プロデューサーにデイヴ・オクム、ジュリオ・バッシュモア、キッド・ハープーンらを迎え、デビュー・アルバム『Devotion』を制作。2012年8月にアルバムをリリース。このアルバムはUKアルバム・チャートで最高位5位を記録。そしてその年のMercury Prizeにもノミネートされた。 JESSIE WARE BIOG – 2014 まだ真夏日和の南ロンドン郊外。今でもバケーション気分のジェシー・ウェアは、自宅の裏庭の芝生を裸足で歩き回っている。そして時折紅茶、新鮮なフ ルーツ、ブリクストンで購入した様々な焼き菓子や食べ物をキッチンから運んでくる。チーズとズッキーニが沢山入ったキッシュ一切れをよそってくれた。「デビュー・アルバムがゆっくりと売れると、こうしたちゃんとしたキッシュを食べられるのよ」と、彼女はクスクスと笑う。 今は、ジェシーの人生 では珍しい穏やかな時期であるが、それももうすぐ変わろうとしている。数時間後には2年ぶりのリリースとなるファースト・シングル「Tough Love」が、Radio 1でゼイン・ロウが世界の最もホットな曲として紹介しデビューする。セカンド・アルバムが今秋リリースされるのに向けて慌ただしいスケジュールが始まろう としている。プロモーション、ライヴ、そして最終的な仕上げ作業が要される中、ジェシーは結婚も控えている。 殆どの人は、仕事へ戻る前日には丸まって縮こまりたくなるもの。そういった現実に返るときの胸の痛みをジェシーは感じないのだろうか? 「全 然ないわ」と彼女は明るく笑う。ファースト・シングルについて語るときと同じ上機嫌な熱意が伝わってくる。「もう数年間アルバムを出していないことは自分 でちゃんと分かってた。だからとにかく新作を完成してリリースしたかったの。実際のところ、みんなに新しい曲を早く聴いて欲しいとずっと思ってた。だから とても楽しみなの。」 早くファンに聴いてもらいたい、という熱望を抱くことはジェシーにとっては比較的新しいことである。歌い始めた頃はス ポットライトを浴びることよりも、SBTRKTやJokerなどのクラブ・トラックにフィーチャリングされるなど、有名になることよりもコラボレーション を好んで活動していた。 しかし2012年にデビュー・アルバム『Devotion』がリリースされ、すべてが変わった。The Invisibleのデイヴ・オクムと控え目で地味なセッションの中でレコーディングされたアルバムは、その年の最も絶賛されたアルバムの一枚となり、 PitckforkやHeat Magazineなどから称賛を受け、Mecury Prizeにもノミネートされた。称賛を受けた後には、ファンベースが拡大し続け、世界中で何百万人もの熱狂的ファンがつき、常にツアーで飛び回るように なった。ファンの中には世界の最もビッグなスターたちもいる。ケイティ・ペリーやテイラー・スウィフトもジェシーを絶賛している。 ジェシー の目が回るようなハード・スケジュールから「Tough Love」は生まれた。去年の5月に書かれたトラックであり、「本当に厳しいツアー・スケジュールが続き、エネルギーが少しも残っていなかった」と、本人 は言う。ジェシーはニューヨークで数週間の休暇を取り、その時にこの控えめで聴いていると心が痛むラブソングを書き始めた。惹かれあうことと失恋は曖昧で あると歌っている。 「興味深い1年間だった」と彼女は言う。「婚約もしたし、初めての経験をいっぱいした。アルバムにそういったことも書か れているけど、それでもやっぱりファースト・アルバムと同じく報われない愛をテーマにしたかった。殆どが自分の過去の経験から書かれたもので、そうするこ とによって私の中の邪悪なものが浄化されていく。その日にふと思い付いて書いた曲だと思っていても、後から考えるとある男の子やある時期のことについて書 かれていることに気付く。だから幸せな奥さんになる前にこうした過去をすべて吐き出したい気持ちがあった。」 今回エグゼクティヴ・プロ デューサーとして迎えたのはBenZell(PMRのレーベル仲間であるツー・インチ・パンチと、ケイティ・ペリーやケシャ等を手掛けたスーパー・プロ デューサー、ベニー・ブランコから成る新しいプロダクション・デュオ)。これまでもそうであったように、ジェシーと曲作りをした者は彼女の家族になる。 「ベニーは口うるさいお兄さんのようだった。ロング・アイランドでユダヤ教の過越の祭りを一緒に過ごし、彼の家族と私の家族がどれだけ似ているのかが分 かってとても心地よかった。」 重ねてきた経験と制作チームの拡大によってプロダクションと曲作りが飛躍的に進歩しているのが聴き取れる。 『Devotion』を特徴づけた上品で洗練されたシンセとベースに、より堂々としたコーラスと豊かなアレンジが今作では混合している。ジェシーの素晴ら しいボーカルが前面に押し出され、まるで彼女が耳元で囁いているかのように感じる。 『Devotion』でのコラボレーター、デイヴ・オク ムとジェームズ・フォードが今作でもジェシーと協力しているが、その他にも誰もが知るアーティストたちも参加している。「Adorn」のリミックス・バー ジョンでジェシーとコラボレーションを行ったミゲルは、アメリカで行われたストリングス・セッションにてジェシーと共作している。ルイシャムにあるオクム の居間に作られた仮設スタジオとは全く違う空間で、ミゲルはR&B界の仲間たちを呼んで二人で書いた曲を披露した。J・コールがドアから顔をのぞ かせる場面もあったと言う。 「ある晩なんて、ウィスキーが出てくる曲が完成したことをお祝いしようと言って、ミゲルと沢山のウィスキーを飲 んだの。次の朝に「You and I Forever」をレコーディングしたんだけど、二日酔いがひどくて、頭痛で苦しみながら片手にゲータレード(*清涼飲料水)のボトルを持って、なんとか 小さな静かな声で歌ったわ。」 アルバムに収録されている曲の中で最も正直な曲の一つである。「なかなかプロポーズをしてくれない彼氏への不 満を歌っているの。お互いに結婚するまで長かった。永遠に感じるぐらい長いこと付き合っているの。まるでオートバイに乗っているかのような曲にしたかっ た。高速で切なる思いいっぱいで走っている感じでね。」 しかしミゲルとのセッションでは、空想や楽しさといった要素も引き出され、曲作りの過程と演奏を楽しむという発見があった。「Champagne Kisses」は恋愛の遊び心を楽しんでいるトラックで、コーラスではキスをする音が散りばめられている。 ブ ランコは過去に共に仕事をしたエド・シーランとジェシーのコラボレーションを強く希望していたが、忙しいスケジュールの中で実現することは難しかった。し かしそんなある夜、「偶然エドもサタデー・ナイト・ライブの収録のためにニューヨークに来ていて、一緒に曲を作ることができたの。彼が会いに来てくれて、 二人でホールフーズ・マーケットでサラダを買って、それからベニーのマンションへ行ってギターで一緒に曲を書いたわ。30分ぐらいで書き上げちゃった。 「Say You Love Me」という曲で、絶対にアルバムに収録すると決めていた。」 今回のアルバムを誇りに思う理由はジェシーには 沢山あるが、音楽的な進化だけではなく、今作はジェシー・ウェアにとって新しい始まりを示している。バックボーカリストでも、クラブ・トラックのボーカリ ストでも、努力してきた娘でもない。彼女はスターなのだ。「なんども繰り返し“こんなことが自分に起こるなんて”って驚いているわけにはいかない。今は自 分に自信がついたし、アルバムからもそれは伝わってくると思うわ。ボーカルの届け方ももっと前面に出しているし。シンガーという仕事は最高の仕事で、それ は今では確実に私の仕事となっている。」
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