デミ・ロヴァートにとって、2014年はキャリアを決定づける年となった。この年、デミはこれまでの作品の中で最も革新的で、世界的に話題を呼んだアルバム『Demi』(2013)のツアーを2本成功させた。自身のスキンケア・ライン「DEVONNE By Demi」とヘアエクステンション・ライン「Secret Color」を立ち上げた。そして自分の信念に基づくイニシアチブやチャリティーも継続してきた。さらなる活躍が期待される2015年、デミ・ロヴァートは5枚目のスタジオ・アルバムのリリースを予定している。
デミ・ロヴァートの4thアルバム『Demi』は、2013年5月14日にハリウッド・レコードから発売された。一流のプロデューサーと作曲家のチーム(The SUSPEX(ミッチ・アラン、ジェイソン・エヴィガン)、プリシラ・レネア、ライアン・テダー、エマニュエル・”イーマン”・キリアコー、カール・フォーク、ラミ・ヤコブ、サヴァン・コテチャ、アリ・タンプシー、ザ・モンスターズ&ストレンジャーズ、アン・プレヴェン、マット・ラッド)に混ざり、デミ自身がほとんどすべての曲の制作に参加しているため、このアルバムは彼女にとってこれまでで最も思い入れの強い作品となっている。発売時に全米第3位を記録し、デミにとって初登場でトップ10入りを果たした4枚目のアルバムとなった。発売以来、同アルバムは50カ国以上のiTunesチャートで1位を獲得している。『Demi』からの最初のシングルカットである『Heart Attack』は第1週目に21万5千枚を売り上げ、米国を含む25カ国以上でiTunesチャート1位を獲得し、ビルボードHot 100では12位を獲得した。発売からわずか4週間で米国とカナダにおいてゴールド・ディスクに、10週間以内にプラチナ・ディスクに認定された。プロデューサーに The SUSPEXを迎え、デミも共作している『Heart Attack』が発売された週、この曲は米国のTop 40ラジオで最も再生された曲となった。またミュージック・ビデオの再生回数は1億6千700万回を超え、2013年9月にVEVO認定を受けた。さらに『Demi』からの3番目のシングルである『Neon Lights』はラジオ・チャートでトップ5に入るヒットとなった。一番最近ではシェール・ロイドをフィーチャリングした『Really Don't Care』がTop 40ラジオでトップ10入りを果たしている。
デミ・ロヴァートは2014年を絶好調のうちにスタートし、『Demi』のリリースを記念して自身初となるソロでのアリーナ・ツアーに乗り出した。「ネオン・ライツ・ツアー」と題されたこのツアーは2月9日にバンクーバーから始まり、ニューヨーク、シカゴ、トロント、ダラス、ナッシュビルなどの北米エリアの大都市でソールドアウトとなった。 ツアーでは北米だけでなく、サンパウロ、リオデジャネイロ、メキシコシティなどの南米の都市も回った。 サポート・アーティストには「Xファクター」の卒業生であるシェール・ロイド、リトル・ミックス、フィフス・ハーモニー、コリンス・キー、ロッソ・シスターズらが参加した。ネオン・ライツ・ツアーを成功させたデミは、2014年9月6日からワールド・ツアーを開始。北米から始まったこのツアーのサポートにはクリスティーナ・ペリー、MKTO、ベッキーG、さらにモチベーショナル・スピーカーのスペンサー・ウェストが参加した。ツアーは北米だけでなくヨーロッパでも行われ、今年はオーストラリア、アジア、ニュージーランドを回る予定。
2014年、デミ・ロヴァートはピープルズ・チョイス・アワードでブリトニー・スピアーズ、ピンク、ケイティ・ペリー、セレーナ・ゴメス、レディー・ガガ、ワン・ダイレクションなどのアーティストに打ち勝って「Favorite Female Artist賞」と「Favorite Fan Following賞」を受賞した。また、Varietyが主催するUnite4:Humanity Galaという人道的な活動を表彰する祭典では、チャリティー活動を讃えられて「若き指導者賞(Good Young Luminary Award)」を受賞した。第86回アカデミー賞で「ベスト・オリジナル・ソング賞」を受賞した『アナと雪の女王』の主題歌、『Let It Go』でも注目を集めたデミは、最近ではティーン・チョイス・アワードで「チョイス・ソング・オブ・ザ・サマー賞(“Really Don't Care” )」と「チョイス・フィメール・ミュージック・スター賞」の2つを受賞した。
ここ数年間で、デミのファンはより彼女への愛を深めている。ファンたちは自らを「ロヴァティクス」と呼び、すべてのソーシャル・メディアで熱心にデミをフォローしている。デミはさまざまなネットワークで素晴らしい支援を獲得し、世界中のファンたちと直接触れあっている。彼女のFacebookページの「いいね!」は3,600万を超え、Twitterアカウントには2,900万人以上のフォロワーがいる。
キャリア形成の渦中にいながら、デミ・ロヴァートは社会にお返しすることも忘れていない。2013年、彼女は亡き父に敬意を表し、レギュラー・ヒーロー、CASTリカバリーと協力してロヴァート・トリートメント・スカラーシップ・プログラムを立ち上げた。このプログラムは、心の病気を抱えながら治療費を払えず苦しんでいる人たちを金銭的に援助することを目的としている。2015年3月18日にはロヴァート・トリートメント・スカラーシップの初となる年次イベントが開催された。自身のイニシアチブに加え、デミは若者を応援するイベント「ウィー・デイ」と、子どもが国内外を問わず活躍できる人間になれるように障害を取り除く活動を世界的に展開しているフリー・ザ・チルドレンの公式アンバサダーも務めている。デミは21歳の誕生日をケニアで、フリー・ザ・チルドレンがスポンサーとなっている「ミー・トゥー・ウィー・トリップ」というイベントに参加して祝った。ケニアに滞在中、彼女は地元の子どもたちと時間を過ごし、地域の人たちと協力して新しくフリー・ザ・チルドレンが運営する学校を建てた。
2013年はデミ・ロヴァートのキャリアにとって大きな分岐点ともなった。マクミラン出版のFeiwel and Friendsから複数の本を出版する契約を9月に結んだことが明らかとなったのだ。デミの最初の本は『STAYING STRONG: 365 DAYS A YEAR』という、毎日肯定的な言葉を綴った自己啓発本。この本は2013年11月19日に発売されると、ニューヨーク・タイムズのベストセラー・リストで1位に輝いた。本の内容は、デミのお気に入りの警句とそれに対する思索、彼女が立てた目標で、進むべき道を見失わないために自分に言い聞かせている言葉を集めたもの。2013年12月3日には『SE FUERTE: 365 DIAS AL AÑO』というタイトルでスペイン語版が出版された。『STAYING STRONG: 365 DAYS A YEAR 』は大手書店またはマクミランから直接購入できる。デミの次の本は『STAYING STRONG: A Journal』というタイトルで、今年秋に出版される予定。
同じく2013年、Foxはデミが「Xファクター」の審査員およびメンターに復帰すると発表した。Xファクターは大人気のオーディション番組で、2013年秋に第3シーズンが開始された。最年少の審査員およびメンターとして新鮮な視点を番組に持ち込み、サイモン・コーウェルとの軽快なやり取りや 、的確なコメント、審査員としての真摯な励ましと積極的な姿勢で批評家から賞讃を得ている。彼女がアーティスト志望者に指導し、信頼関係を築き上げていく姿が毎週放送された。Foxとの良好な関係は続き、デミは人気ドラマ『Glee』のシーズン5に何度も登場し、ニューヨークで活動する悩めるアーティストの役を演じた。
2011、デミ・ロヴァートは3rdスタジオ・アルバム『Unbroken』をリリースした。2枚目にシングルカットされた『Give Your Heart a Break』は、楽曲とデミの歌唱力の両方に対して、現代音楽の批評家から大絶賛を受けた。『Give Your Heart a Break』は2012年のHot 100に32週にわたってランクインし、ビルボードのポップソング・チャートで1位を獲得した。また同曲はメディアベースとブロードキャスト・データ・システム(BDS)の両方のトップ40ランキングでも1位に輝いた。『Give Your Heart a Break』のデジタル・コピーの売上は195万枚を超え、米国で公式にダブル・プラチナに認定された。『Unbroken』から最初にシングルカットされた『Skyscraper』はiTunesチャート1位、ビルボード・ホット・デジタルシングル・チャート2位、ビルボード Hot 100でも10位を獲得した。同曲は130万枚以上のデジタル・コピーを売り上げ、こちらも米国でプラチナに認定されている。『Give Your Heart a Break』と『Skyscraper』のミュージック・ビデオは、それぞれ1億回再生を超えてVEVO認定を受けた。
デミ・ロヴァートは幼くしてショー・ビジネスの世界に入り、急速に頭角を現した。15歳のころにはすでに大人気のTVスターで、歌手としての約束された道を歩み始めていた。2000年代後半、彼女はTVや映画撮影の苛酷なスケジュールをこなしながら『Don't Forget』(2007)、『Here We Go Again』(2009)の2枚のソロアルバムをリリースし、大成功を収めた。両作品はそれぞれビルボード200で1位と2位を獲得している。
自身が抱える問題と同じような問題の認識を高めるため、デミは2011年に雑誌『セブンティーン』の寄稿編集者に就任した。彼女はセブンティーンをプラットフォームとして使い、ティーンの少女たちに向けた「ラブ・イズ・ラウダー」というより大規模なキャンペーンの一環として自分の問題について議論した。デミは12歳のころにいじめを受けていたことを明かし、その後はいじめに反対するさまざまな団体を支援している。2012年、デミはデオドラント・ブランドのシークレットが主催する、女の子どうしのいじめを撲滅するキャンペーン「ミーン・スティンクス」のアンバサダーに任命された。
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