音楽と障害 ポピュラー音楽編

①主に1920年代のアメリカで活躍した、ゴスペルミュージシャン、宣教師。死因は肺炎で、病院側は盲目である事を理由に診察を拒否したという。1977年、ボイジャーのゴールデンレコードに当曲が収録されている。 ②1950年5月13日に出生時、未熟児網膜症で視覚障害者となる。11歳の時「Lonely Boy」を作曲、モータウンとの契約を獲得。12歳で全米ツアー、翌年にその録音『Recorded Live: The 12 Year Old Genius』がBillboard 200で1位。ここから同月にシングルカットされた「Fingertips - Part 1 & 2」もBillboard Hot 100で1位。この、13歳での1位獲得は現在でも史上最年少の記録。1970年に自作のプロデュース権を獲得、タウラス・プロダクションを設立。モーグ・シンセサイザーにより、ほとんどの楽器を自分で演奏してアルバムを作るスタイルを確立。1973年、同乗車で交通事故に遭い、後遺症で一時味覚と嗅覚を失うが、その後ほぼ完全に回復。この体験により慈善活動や平和活動に目覚め、後の1980年代には南アフリカのアパルトヘイト政策に反対する歌、公民権運動指導者のマーティン・ルーサー・キング牧師を讃える歌を発表。 ③ジプシー・スウィングの創始者。18歳で火事により右下肢麻痺、左手指障害を負う。診察医師がギター演奏は二度と無理だと言ったが、練習により独自の奏法を確立。 ちなみに当曲の歌唱で有名なRay Charlesは盲目。 ④先天的な白内障のため、弱視と片側全盲。ジャズ界のファッツ・ウォーラー、カウント・ベイシー、ステファン・グラッペリ、オスカー・ピーターソンらからの激賞に止まらず、クラシック界のホロヴィッツやトスカニーニ、ヴァルター・ギーゼキングらまで驚嘆させた。 ⑤骨形成不全症という障害を負って出生、低身長、骨粗鬆症と、しばしば肺疾患に苦しめられた。 ⑥Derek Paravicini(1979年7月26日-）は、早産で盲目、サヴァン症候群を患ったイギリス人ピアニスト。 なお、作曲のGeorge Shearingは1930年代をリンデン・ロッジ盲学校で過しており、デレクとは同窓である。 ⑦1957年9月10日生。17歳で単身渡米。滞米先でアフリカ系アメリカ人の男性と結婚。一男をもうけるも、後にDVが原因で離婚。帰国後、乳がんが再発し、2度目の摘出手術、抗がん剤の副作用と闘いながら育児、アルバイトを続けた。帰国から7年後となる1998年に40歳でデビュー。当時、抗がん剤のために声帯にポリープ状のものができてしまい、歌っては声が出なくなるという症状に見舞われる。医師からは、喉は歌わなければ歌わないほど治ると言われた。1日に数曲分しか歌えないため、デビューアルバムはスタジオライブのような緊張感。2008年の10周年記念コンサートツアーを最後にコンサート活動を一時休止して実母の介護に専念。過酷な介護生活から母と心中する衝動にかられるほど追い詰められていたことに気付き、人の助けを借りながら介護を継続する道を選び、2009年からコンサート活動を再開。 ⑧ボーカリスト兼ギタリストの山口一郎（1980年9月8日-）は、2010年のkikUUikiツアーリハーサル中に右の突発性難聴を発症。一時は右耳がほとんど聴こえない状態だったが、後に低音であれば聴こえるようになった。音響マニアを自認する彼は、以前は音の細部まで支配しなければ気が済まなかったが、発症を契機にバンドメンバーに音作りの多くを委ねざるを得なくなった。後日、メンバーに頼ることの大切さを知ったと語っている。2020年には持病として何年も前から群発性頭痛を患っていることを公表。