⊿ indigo la End

喉の渇きは君がいれてくれた珈琲で潤うのだけど、心の渇きは珈琲じゃあどうやらダメみたいなんだ。君の笑った顔や泣いた顔が頭から消えてかない。きれいに記録してダビングシーンは増えていく。だけどどうやら、もう増えないらしい。あの日から心雨は降りやまない。ぼくの心をずっと濡らしてゆく。心ふたつあったらどうにかなるのかな。ぼくときみでどうにかなるのかな。最終電車のベルが鳴る。君は、さよならベルと言っていたね。さよならベルは君との別れの音。この音で夜汽車は走る。この音で君はいなくなる。悲しくなる前に、幸せが溢れたら、変わっていたのかな。僕のとなりに、君はいたのかな。ああ、そんなこと思ったって、君はいないのに。