ひとり自転車で旅する君へ

今 どうしてますか？ 彼が北へ辿り着いたのは 晩秋も晩秋の もうすぐ初雪が降る頃 広大なこの地を 自転車で一周するという その頃の私は 海沿いの小さな街にいて 窓から見える狭い国道を 彼が通るかもしれない？と ドキドキしながら 旅人セットを作り(笑) ギターを背負った自転車の旅人が来る日を待っていた 彼の無謀な自転車旅は 初雪に降られる事も無く とても順調で 多分、明日には私の街に到達する？と ワクワクしてた夕暮れ 彼は、空腹と突然の雨でハンガーノックと低体温症で動けなくなるというトラブルに見舞われ、近くにあった小さな神社の祠にギリギリ駆け込み ガタガタと震えが止まらない夜を過ごした翌朝 とても不思議な光に包まれ 「ぼく死んじゃったのかな？」て、思ったって 「でも 生きてたんです！」 って 馬鹿みたいな爽やかな笑顔で 私に話してくれた その翌日の もう日が暮れる寸前 窓の外の国道沿いに走る彼を見つけ 窓から叫んだ けど声は届かず 私は自転車で彼を追った (車じゃないのか 笑) 長い距離を走って来てるし 疲れてるはずなのに 彼のスピードは早く 全く追いつけない 止まれ！止まれ！そこの旅人止まれー！と、叫びながら自己最早スピードで彼を追ったけど 急な上り坂をグングン登り消えてしまう旅人の後ろ姿に、諦めようか？と、一瞬思い、でも昨夜死にかけた旅人をほっとくことはできなくて、坂道を上り、車より早いスピードで坂道を下り(笑)カーブを曲がった先に 旅人が自転車を降りた姿を見つけ まま待ってーそこの旅人ぉーと 息も絶え絶えで 取っ捕まえた！！！((ゼエゼエ)) 旅人は 昨夜のトラブルなど無かったみたいな余裕の姿で ヨッレヨレの私に 驚きと嬉しさと少し照れたような表情 お互い初対面だったけど 昔からの知り合いみたいに 笑って、話して、握手した あの瞬間は 映画よりずっと面白い 映画みたいだった 今年は10月を過ぎても まだ暖かく でも晩秋は近くまで来てて この季節になると ギターを背負った渡り鳥みたいな 自転車の旅人を想ってしまう 風の噂では 今は南の島にいると、、 北に来る旅人には どうにもならない出来事と どうにかなりたい気持ちと なんかそんな色々を感じてしまい 愛しいです また 旅人セット 用意しとこ(笑) ※旅人セットには 缶詰、乾物、ソーセージ、羊羹、チョコ、葛根湯、湿布、絆創膏、ホッカイロ、ポカリスエット粉末 等を入れております(笑) 自転車旅のガソリンは食べ物です！ハンガーノックにならないよう、しっかりご飯は食べましょう～ 踏んばれ 北へくる旅人たち 🚲✨✨✨