どでかい父の鼻唄で目が覚めて、
階段を降りるとお味噌汁のにおい。
おはようを交わしながら台所へ。
母の鼻唄はいつも控えめ。
顔を洗ってキュウリをつまみ食いしたら、
ラジオ体操へ向かうa.m.6:00。
一番乗りの朝露が残る、境内の回りをくまなく散策。
ありじごくをみつけたら30点。
セミの脱け殻をみつけたら80点。
カブトムシを捕まえたら100点満点。
班長さん到着でラジオがON。
”あたらしい朝がきた”
寝癖の子も寝ぼけ顔の子も、
みんな並んでイチ、ニ、サン、シ。
第2体操ゴリラの真似で、
みんなの目を覚ますのが私の日課。
スタンプをもらったらおうちへダッシュ。
おなかぺこぺこで朝ごはん。
卵焼きが並んでいたら今日はいい日!
今年こそは初日に全部やってしまうはずの夏のドリル。
今年も3ページ半で手付かずのまま。
朝顔とひまわりに水をあげ、
うさぎとニワトリと牛に餌をあげるのが
計画表の7時半。
戻ってポンキッキをみ終えたら、
夏空へ駆け出そう。
ミンミン蝉鳴くいつもの小路。
秘密基地が呼んでいる。
腹時計を頼りに戻る昼時。
テレビからは「あなたの知らない世界」(新倉イワヲ)。
見なきゃいいのに、
ぜったい夜トイレに行けなくなるのに、
がぶりよりの特等席でガン見。
大絶叫と共にカーテンに隠れては怒られる。
お昼をかきこんだら再び外へ。
自転車にまたがり、秘密基地とは反対の道へ走り出す。
今日こそ町まで行ってみよう!
決意してこぎだしたのに、学区内を過ぎたとたん押し寄せる寂しさ。
ミンミン蝉の声がひぐらしの声に変わるのを合図に、回れ右しておうちへと全漕ぎ。
あちこちから漂う夕支度のかおり。
夕焼けこやけのチャイムで、
焦燥感はマックスに。
汗だくで坂を上れば、見えてくるおうちの灯り。
自転車を降りて一息ついて、
窓から漂うお味噌汁の匂いを吸い込みながら思う。
明日はどこまでいけるかな。
そんな私のなつやすみ。
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