「蘇小小歌」(蘇小小:5世紀末、斉の銭塘にいた名妓。ふと姿を見せなくなった逢い引き相手を300年待ち続けたという伝説に基づく)
1.幽蘭露 如啼眼
幽蘭(高貴な植物の名)に置く露は、啼ける眼に宿る涙か
2.無物結同心
契りを結ぶ人の無ければ
3.煙花不堪剪
春がすみ裁つによしなし
4.草如茵 松如蓋
草を茵(しとね)とし、松に蓋(かさ)となす
5.風爲裳 水爲珮
風は裳(もすそ)と乱れ、水は珮玉(おびだま)と鳴る
6.油壁車 久相待
油壁の車して、日の暮れに人を待つ
7.冷翠燭 勞光彩
青白き鬼火の提灯、ゆらゆらと侘びしく燃ゆる
8.西陵下 風雨晦
西陵のほとり、雨風のともども黒し
(黒川洋一訳 一部補)
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