プリンスの死は音楽界に衝撃を与えたが、彼の人生、そしてメッセージは世界中の何百万もの人々に影響を与え続けている。プリンスはその生涯で約40枚のアルバムを発表し、ロック、ファンク、ポップそしてR&Bの革新的なフュージョンで80年代を席巻した。ユーモアと独自の視点、魅力的な振れ幅のある曲作りと歌唱スタイルは全作品に通じている。今回の読者投票では、数あるプリンスの名曲の中からベスト・ソングを挙げてもらった。結果は以下の通りだ。
『パープル・レイン』の次にリリースされたアルバム『アラウンド・ザ・ワールド・イン・ア・デイ』は、前作のような評価を得ることはなかったが、プリンスが完成させた最も完璧なポップ・ソング『ラズベリー・ベレー』が収められている。安物雑貨店で変わった帽子(ラズベリー色のベレー帽)をかぶった女の子と出会うというロマンチックな物語だ。
『KISS』で、プリンスは最盛期を迎えた。よりエロティックなプリンスの本質に柔らかさが混ぜられ、彼は恋人のキス以外は何も望まない。恋人の富や容姿は重要ではないという。ザ・レヴォリューションのウェンディ・メルヴォインがじゃらじゃらとかき鳴らすギターリフの上に築かれるプリンスのファルセットが、歌詞の説得力を高めている。
80年代の最高のポップ・ソングのように、プリンスも次々と相手を変える女性を車に例えている。『小さな赤いコルヴェット』は、甘味なシンセサイザーが流れ、プリンスは彼女に速度を落とし、もっと確かなものを人生に見出すよう勇気づける。
『1999年』のようにパーティしようと歌うこの曲は1982年に発表されたが、タイトルにちなんで1999年に再リリースされた。時計の針が西暦2000年に刻々と近づく恐怖が歌われている。曲のコンセプトは脅迫的だが、トーンや歌詞の内容はアップビートで、快楽におぼれながらも最後になるかもしれない瞬間を悔いのないように生きようと皆を励ましている。
内省的な『サイン・オブ・ザ・タイム』で語られた苦悩の多くは現代にも通じるが、プリンスが曲中で指摘したのは、80年代中頃から終わりにかけて蔓延していた問題だ。プリンスは、過去のシングルよりも繊細なファンクに乗せて麻薬の乱用やエイズ、ギャング抗争、貧困について正確に、そして共感を込めて歌った。プリンスの物語の伝え方は常に人の心を引き付ける
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