野坂昭如氏と出版社が 猥褻な作品を掲載したと訴えられて、文壇界は揉めに揉めた。
判決では敗訴。
永井荷風氏(疑問あり)の『四畳半襖の下張』の文章表現が すこぶる猥褻であると。
当時は何のこっちゃで、少年雑誌の『恐怖新聞』『漂流教室』『愛と誠』などに夢中。
少女漫画は『ベルサイユのバラ』『ポーの一族』などなどなどなど。
猥褻ねー。
モロに出すより 隠した方がエロさは増す。
着衣ありき。
はだけた着物の裾、乱れたうなじの おくれ毛。
汗ばんだ首すじ、何気ない ため息。
それを文章にして、いかに読み手を興奮させるかは 書き手の度量によるものだろう。
今は言葉狩りが跋扈して、自主規制ばかり。
筒井康隆氏は それに対抗して、過去に筆を折った時期すらあった。
昭和40年代辺りまでは、貧しさが 隣にある時代。
白色電球の ほの黄色い灯りは、人の心を落ち着かせる。
蛍光灯やLEDでは 決して出せない光の色。
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