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説明文

明らかにおかしな世界に住んでいるにも関わらずそこに一切何の違和感も感じないのだとしたらその人はよほど多くの愛に恵まれた人か或いは見えない力によって守護された人か─それとも単なる鈍感なのかのどちらかだ。 彼女は26歳の時に出演したサタデイナイトライブでカトリック教会の神父らによる児童への性的虐待に抗議して時のローマ法王ヨハネパウロの写真を破いて見せた。この事件によって彼女は全世界のキリスト信者から非難されレコードは焼かれボブディランの30周年記念コンサートのステージでは会場から一斉に大ブーイングを浴びた。まるでビートルズのキリストより有名だ発言事件の再来。ジョンレノンは蒼くなってすぐさま謝罪会見を開いたが彼女はそんなことはしなかった。彼女は自分にブーイングを浴びせ続ける観衆たちをただ静かな眼差しで見つめていた。 彼女のこの時の抗議の内容はその20数年後に事実であったことが証明された。世界各地の神父らによる夥しい数の性的虐待が事実であるとローマ教会自身が認めたのだ。彼女は正しかったのだ。 (真実が真実だと証明されるまでにいったいどれだけの時間が必要なのだろうか? ‘そんなことあるはずがない’というような 大衆が抱く常識という名のあまりにも頑牢な城壁。その城壁に叩き続ける無数の大鎚はいつかそこに大きな穴を穿つに違いない。そこからやっと人々は真実を垣間見るのだ。─それまでにいったいどれだけの時間が必要なのだろうか?) 彼女が住むキリスト教世界で彼女以外の誰がこのような抗議をなし得ただろうか?人気こそが何よりも必要なはずの芸能の世界で多くの人或いは大きな権力を敵にまわすと分かっていて。 (沈黙は我が身を守る以外何の役にも立たない。 大鎚をふるい 城壁を叩け。 言葉。声。行動。あらゆる表現はいつか芸術に昇華されていく。真実の名のもとに。 真実を求めてカタチにするのが芸術なら 今ほどそのような芸術が求められている時はない。 今─明らかに世界がおかしな方向に沈んでいこうとしている─この時に。)
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