あれから9年が経つ。
彼女は、兄を探しに行った時、津波に流されてこの世を去った。
街も人も動物も乗り物も植物も津波で全部なくなった。残酷な事になった。
俺たちには、未来があるのか。そう思っていた。
その時、ある丘に風の電話があると聞く。
風の電話とは、電話線は繋いでいない公衆電話のようなとこ。もう会えないという人と話せるという電話だ。
9年になり、彼は彼女の声を聞きたくて、風の電話へ行く。
『元気?あれから9年が経ったよ。ゴメンね。守ってあげられなくて。本当にゴメンね?声が聞きたい。また、笑顔でいたい。会いたいよ!まだ、交わした約束覚えてるよ!結婚しよ?』
彼は、涙を流しながら、伝えている。
と、電話ボックスを出た後、虹がかかる。
彼女の返事だ。届いていた。
ありがとう。。。
あの日の事は、忘れたくても忘れられない
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