あいつが死んだ今でも好きってことに変わりはなく

ある日1人の女性がこの世から旅立った。 僕は幼いころから学校でいじめをうけてきた。とくに高校生のときはカツアゲされたり、暴力を振るわれたりしてた。 高校3年生のとき僕がいじめられていると1人の女子生徒が僕を助けてくれた。 その子は同じクラスのA子さんで明るくて優しく、僕も少し気になる相手だった。 それからはA子さんとも仲良くなり、卒業式の日から付き合うようになった。 2人ともディズニーが好きでよくディズニーランドに遊びに行った。 付き合いはじめて数年が経ち、お互い社会人になり、僕は彼女との結婚を意識するようになった。 とある日僕は彼女を連れてディズニーランドに行った。 そしてシンデレラ城の前で結婚のプロポーズをした。 彼女は喜んでプロポーズを受け入れてくれた。 翌日は普段どおり仕事を終えて帰ろうと思い、携帯を見ると100件近い着信があった。 それは彼女の父親からだった。 恐る恐る電話をすると彼女の父親から ｢A子が…A子が自殺した｣ と泣き叫ぶように伝えてきた。 僕はなにがなんだかわからずに頭が真っ白になり、呆然と立ち尽くした。 とりあえず警察署へと急いで向かった。 そして警察署に着くと霊安室に案内された。 そこには眠るように横たわる彼女がいた。 僕はただただ彼女の顔を見るだけで精一杯だった。 彼女の両親から彼女が書いた遺書を見せてもらった。 そこにはひとこと｢◯◯くんごめんね｣と書かれていただけだった。 なぜ彼女は死ななければいけなかったのか、前日プロポーズしたばかりなのに…あまりにも急すぎて涙さえ出なかった。 その後彼女の葬儀が行われ、最後の別れに高校の同級生など大勢の人が参列してくれた。 そして葬儀が終わり火葬場へと向かった。 火葬場で焼かれた彼女を見てはじめて涙が溢れてきた。 彼女はもうこの世にはいないんだとようやく気づいた瞬間だった。 彼女が天国へ旅立って数年経った今も自殺した理由はわかっていない。 あんなに楽しく一緒に遊んだのに、プロポーズもこころよく受け入れてくれたのに。 だから僕は彼女のことを忘れることがでぎず、ずっと独身のままだ。 そしてよく1人でディズニーランドに行くことも増えた。 なぜかあの日の彼女がそこにいるような気がして… この話は私の友だちである男性の実体験を元に一部内容を変更して記載しています。 本人からも許可をいただいています。 なお本人を特定するコメントなどはご遠慮ください。 8曲目は彼女とよく車の中で聴いていた思い出の曲だそうです。 ⚠️タイトルの｢あいつ｣は悲しみや悔しさを表現するために使用してます。