“ 斉天大聖孫悟空 ”
昔々、東勝身洲の沖合にうかぶ火山島、花果山の頂に一塊の仙石があった。
この石が割れて卵を産み、卵は風にさらされて一匹の石猿が孵し、美猴王と名乗った。
数百年経ったある日、限りある命にはかなさを感じたことから不老不死の術を求め旅に出る。
そして須菩提祖師という仙人を探し出して弟子入りをした。
祖師は、姓を持たぬという美猴王に孫という姓を与え、孫悟空の法名を授けた。
念願の長寿の妙道と七十二般の変化術を体得し、さらに觔斗雲の法も教わって自在に空の雲に乗れるようになる。
最強の武器を求め海中の東海竜王敖廣の宮殿である龍宮にいき、意によって自在に伸縮する如意金箍棒を無理矢理譲ってもらう。
牛魔王を含む六大魔王の妖仙と義兄弟となりその宴席で酔いつぶれていると、幽冥界から使いが二人きて「おまえの寿命は尽きた」という。
悟空はそんなはずはないと抗弁して暴れ、閻魔帳を持ってこさせると、なるほど孫悟空の寿命は三四二歳とあった。
そこで自分の名を墨で塗りつぶし、もうお前らの厄介にはならんと冥界十王を殴り倒して帰った。
それに怒った如来は悟空に身の程をわきまえさせるために賭けを持ちかけ、如来の手のひらから飛び出せなかった悟空を取り押さえて、五行山に五百年間封印した。
五百年後、観世音菩薩の救済によって三蔵法師の弟子となって功徳を積むことを許され、天竺までの取経の旅を助けることになる。
弟子になってからも反抗的な態度は相変わらずで、納得できない時は相手が神々や如来、菩薩だろうと平気で文句は言うし反抗的態度に出る。
乱暴な気質も相変わらずで、相手が人間であっても邪魔なものは力ずくで排除ないし従わせようと考えることがしばしばであり、それが原因で三蔵の怒りを買い確執の原因となることが多かった。
しかし仁義や礼儀に精通しており、その他で無礼を働くことはなく、三蔵法師を守り固め天竺から多くの経典を持ち返った功績は認められ、後に仏の記別を受け神となったのである。
神となりてその後は… ?
それはまた次回の講釈で 🤠/
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