<その顔が見えなくなると心が苦しくなる
そんな顔がこの世界を輝かしく変容させる……>
1.欲求がないことは満足がないことよりも不幸だ
人には、多くの欲求があり、欲求不満で苦しまないためにそれらの欲求を満足せねばならない
その一方で不幸を苦痛と感じない場合がある
しかしこれに劣らず不幸なのは男性の性欲、あの雄々しい性欲が欠けていると、男性は苦痛も欲求不満の苦しみも感じない
これはひとつの不幸として恐れられている
9.完全な実在と、愛する存在のイメージ
もしもこの世界のなかで、互いに求め合う恋人たちの痙攣的な動きの行き来がなくなるのならば、そしてもしも<その顔が見えなくなると心が苦しくなる>、そんな顔がこの世界を輝かしく変容させることがなくなるならば、この世界の眺めは、世界自身が生み出した存在たちを自ら愚弄する光景になる
11.恋人たちの真の世界
演劇や文学は、それだけでは、人々がお互いを再発見しあう世界を創造できないからだ。芸術が描き出す心引き裂かれる光景はどれほど激しいものであっても、それに感動した人たちの間に、ただのはかない絆しか創造できずにきた。これに対して、恋人たちはきわめて深い沈黙に浸っていときでさえ、心を通わせあっている。このとき彼らの動きはどれも、燃える情熱を帯びていて、恍惚を引き起こす力を持つ。
13.運命と神話
神話は芸術、学問、政治に満足することのできなかった人の意のままに今なおなっている。愛はそれだけで一つの世界を作り上げるのだ
何度見てもどうあるべきかなんて書いてないのに
見えないのは寂しいね。やっぱりきみがいないのは寂しいよ
…もっと見る