テレビは観ない。
うるさいのは避けたい。
静かな夜は 毛布にくるまって 本を読もう。
ココアは濃い目で。
以前、神保町で見つけた 古い文庫本。
『女ひとりのパリ暮らし』石井好子 著。
シャンソン歌手の彼女による 若かりし頃の回想エッセイ。
'50 のパリ。舞台裏での様子。
シャンソン歌手として駆け出しの頃。
仲良しの踊り子さん。明け透けな遣り取り。
頭には パリの小さなアパルトマン、舞台衣装、控え目の照明…溢れるように 浮かんで来る。
睡眠薬の代わりに シモーヌ・ヴェイユ も一冊。
頓挫につぐ頓挫。また数ページで眠りに。
世間の軌道からは とっくに外れてしまった。
スプートニク2号のように。
市井に紛れて この夜を漂う。
東京発のスプートニク2号。
宇宙へ向かう。
ライカ🐕も一緒に。可愛い。
お利口さん。大人しく 隣にお座りしている。
ココアと文庫本を携えて。いざ。
時空を超え、あの懐かしい星へと帰りたい。
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