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宮本輝さんの「春の夢」を読んだのでつぶやきます。 不慮の事故で柱に釘付けにされた蜥蜴の「キンちゃん」を軸に話が進められる、青春の恋愛、死生観等がテーマの小説です。 「春の夢」とは主人公が大学を卒業して就職し、彼女と結婚して母親と三人で暮らすこと、同僚の心臓手術が控えてあること、そして何より体を貫いている「キンちゃん」の釘を抜いてやることです。 自分が一番興味深かったのは、息子との確執があり生きる希望を失い、自殺を図ろうとし未遂に終わった外国人の老夫婦の話のところです。 自分の若い頃は父親に反発し、憎み、自分の欠点は全て父親のせいにしていました。しかし父ももう高齢、自分も中年になりました。この小説を読んで気付かされたのは高齢者の残り少なくなった人生の寂しさです。自分ももういい歳になったので、いつまでも父親を憎むのではなく和解し、一生懸命生きてきた父が余生を幸せに過ごせることに尽力しなければと思いました。 そして大事なテーマの死生観ですが、自分も宮本輝さん同様、この世で「人間が作った法」を犯さなくても自然を支配している「法」があるとしたら、それを犯した人間はあの世、来世で苦しい目に会うと思ってます。拙い表現ですが神様から頂いた今の人生を一生懸命に全うすることが大事だと思うのです。 さて、自分の宮本輝さんとの出会いですが、高校時代の現代文の課題で宮本輝さんのエッセイを読みまして、なんて優しく温かい文章を書く人なんだろうとたちまちファンになった次第です。(といってもこの小説で四冊目ですが 笑) 蜥蜴の「キンちゃん」が最後どうなったかは是非ご自身でお読み下さい。 最後に、稚拙な文章ですが最後まで読んで頂きありがとうございました😊
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