きみはきっと憶えているだろう。
まだ目も開かぬきみが聴いていた
暖かい心臓の鼓動を。
きみに絶えず語りかけてくる愛に充ちた言葉を。
─早く会いたいね。待ってるよ。
小さく未熟な手足を動かし
きみはそれに応えてみせた
きみを優しく包む薄い羊膜の壁を蹴って。
原初の海に浮かぶ夢を見ながら
きみはやがてゆっくりと泳ぐように水をかき
その新しい世界に最初の産声をあげた
愛という名の強い光に導かれて。
きみは気づいているだろうか?
この世にきみが現れた時
きみ自身がこの世を照らす強い命の光だったということを。
輝くような命の不思議を
小さなからだいっぱいに包み込んで。
命はどれも大きな大きな星のひとつに等しいから
生きていて無駄な命などひとつもないんだよ。
もしも虫でも踏み潰すように命を軽んじる支配者が現れたら
僕らは全力でそれに抵抗しよう。
もしもこの世が虚栄と驕りの支配する世界であり
それがきみを鋭い刄のように深く傷つけるなら
僕は全力できみを守りたい。
─きみを貶めきみから光を奪い去ろうとするすべてのものから。
命の行進は続く─夜空に散りばめられた無数の星の煌めきの如く
生滅を繰り返しながら。
力強く僕らは歩いていこう─この永遠に続く命の行進を。
愛という名のただ一筋の光を
再び深く命に刻み込んで。
僕らの光を遮るすべてのものを退けて。
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