夜明けはまだ遅く…
日が上るのも、夏に比べれば…2時間近くも違う。
なのに、夕暮れは早くに訪れる。
陽が傾き出すと、寒さが一層に身に凍みる。
身を屈め、ポケットに入れる手…
西に傾く夕陽を見ると…
どんな夕暮れでも、あなたを思い出す。
厚い雲の合間をぬって遇われる橙色の夕陽を観ると…
あの日の、夕暮れを思い出す。
あなたの横顔…
揺れる髪…
香る風…
たまに触れる肩越し…
どの瞬間も…
私の中で色褪せることはなく…
昔観た映画のヒトコマのように覚えている。
重なる記憶…
そして、音楽…
濡れた唇…
汗ばむ素肌…
何もかもが鮮明で…
今の私を形成している。
更に夕陽は沈み…
北西の風が私を過ぎてゆく…。
そんな…
何にもない休日。
逢いたい…
それだけなのに…。
いつも…
「音楽と共にあらんことを…」
from「oshiri ' s bar」
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