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説明文

でも、ダメだった。 そっかあ……ほんとに愛していたひと、の代わりだったんだ。 ごめんね、ぼくもまた、こころに嘘をついてた。 学校を辞めた変人のぼくと付き合っていたんだから、それでも側にいてくれていた君のことを不思議に思いつつも、好意を向けていてくれていることは知っていたから。 ぼくも側にいることをゆるした。 ぼくはある日、ふと思った。 ぼくのことをひととしてではなくて、養ってくれる「父」だと思っているのではないか? ぼくは、当時そのことを「変なこと」を口にしていると思いながらも、君に諭した。 君は、よくわからない、という貌(かお)をしていた。付き合ってけっこう長かったし、プロポーズしたって、問題ないと思っていた。 指輪はなかった。貧乏だったから。 それでも君と外に、買い物とか、ディズニーシーとかに、出かけられるように、なにかをプレゼントできるように、夜勤で一生懸命働いていた。 君はある日、言ったっけ。 「どうして、こんなに給料がちがうの?」と。 ぼくはひとり暮らしだし、つまり親から離れている。親から、ひとりで生きていけると未成年だったが、みなされているのだ。 だから、夜勤もできたし、手当がつくように仕事に努力を向けていた。 もう、いいんだ。 もう、なにもかも、君のことは、どうでもいい。 いまは、ほんとうに愛していたひとに気づけたし、そして新しく好きになった人たちもいるから。思いだせる君なんかよりも、とてもうつくしいひとたちばかりで、付き合えるかもしれないと想像することがとてもうれしい。好きなひとがいると人生に前向きになれるから。もっと好きになりたいけど、無理なのかもね。 まあいいや、これを書いている今はいったん忘れよう。いまは「君」にだけ、言いたいことがたくさんあるんだ。 ほんとうに君のことを、忘れることができて良かった。思いでにはしたくない、いまは大嫌いだ、死んでても気にしない、そう思ったのは、別れたはずなのに、メールが来た瞬間だけどね、そりゃあ付き合っていたから、性行為とかいろいろしたかもしれない、でも暴力をふるっていたつもりはない、べつに無理やり押し倒したことはなかった、君はある日「それは止めて」と口にできるようになった、ぼくはその瞬間にぞっとしたよ、いままで「止めて」すら口にできなかったのだったのだと、君は18歳だった!同い年だった! 「止めて」すらいえない動物と付き合っていた。 その事実に吐き気が止まらない。 だから、死んでても、構いやしない。 つまり、 ぼくは、その後、だれとも付き合ったことがないからだ。 ぼくは、じぶんを魅力のない、屑だと思って生きてきたからだ! いまでも、その気持ちは薄れない。 ぼくはこの世では醜いのだ。地獄にこそ相応しい人間だ。哀しい錯誤かもしれないが、そう思うことで、なんとか生きながらえてきた。 いまだ、報われないよ。 ぼくはfreaksだし、畸形なのだから。 音楽を作っているひとたちに、こころ惹かれること、すべてを理解した。 きみに曖昧に拒絶されて、よかった。8年もかかったけどね、ばーか。
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