人殺し夢見の骸骨

生まれてたったの十数年 どのようなデータがインプットされ どのようなプログラミングのすえに きみのようなモンスターが出来上がるの？ 血も泪もなく痛みを感じる皮膚すら持たない骸骨 口が裂けたジョーカーでもいい せめてピエロの格好でもしていてくれ 間違っても何処にでもいる 普通の少年になりすますのはやめてくれ 自然な感情は抑圧され ‘憎しみ’すら持たない ‘人を殺してみたかった 誰でもよかった’ そういいながらも きみはちゃんと自分より弱い相手を狙ってる 動物レベルの本能は働くらしい どんな人間にも人権は認められるから きみも法のもとに丁重に保護されるだろう だがいったい どのような新たなデータをインプットし どのような再プログラミングを施せば きみを普通レベルにアップデート出来るのだろう いずれはきみの躰にはチップが埋め込まれ きみの生涯一挙手一投足いかなる感情も 無限のデータベースに蓄積され きみは死ぬまで監視され続ける そんな社会がやってくるだろう きみのために きみを笑わせられる新たな物語が必要だろう そして きみの生涯を新たなコミックに仕立てられる そんな物語が必要だろう