曖昧にうすれてずれて浮遊する模糊なる記憶。
ねじをまわすももどかしきは時計の針。
三月の災禍鼻水はとめどなくかきむしる眼で注視した真夜中のテレビ画面。
爆発しデブリスを撒き散らす映像に解説者は騙る。あれは水蒸気の爆発問題はないでしょう。
針金で刺されるように心臓は傷む。
荒ぶりすさぶわだつみ海が激しく陸を侵し命はその貪欲なはらわたに呑み込まれてゆく。
テレビ画面は永遠に揺れ続ける。
夜の観覧車に覗かれながらホテルのベッドで睦みあい
どしゃぶりの雨にまぎれて車の中で激しく唇を貪りあう。
北極星はいつでも北の空。
ぼくらの居場所を教えてくれる唯一の手がかり。
見つけて。確認して。ウインカー出して。
次は何処の角を曲がろう。
…もっと見る