これらのアーティストの多くに共通する音楽的特徴は、ドラムンベースのマッシヴなビートを援用しながらも、フロア向けというよりはベッドルームミュージック的なドリーミーさがあること。そして囁くようなヴォーカルには、ピリの言葉を借りれば「ガーリー」なムードが漂っているということだ。
Z世代は男性中心主義的だったポップパンクを女性と有色人種が主導する音楽へと上書きし、2020年代へと適合させてみせた。ピンクパンサレス以降のドラムンベース新世代もまた、そのアグレッシヴなビートを「ガーリー」に読み替えることでモダンに生まれ変わらせているのかもしれない。優れたポップ音楽は過去の参照と再定義によって生まれると歴史が証明しているが、Z世代はまさにそれを実践している。
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