ものすごい個人的でお気に入りが一つもできないと思う、ごくごく個人的に疲れた時に聴く曲です。
疲れてくると不思議と長編アニメ「銀河鉄道の夜」の音楽が聴きたくなるんですよね。
あの猫のやつです。
昭和世代の人はみんな見たことがあるアニメ映画だと思います。中の音楽はYMOの細野晴臣さんが作曲されていたんですね。
子供の頃は気づきませんでした。
幾つかは越美晴さんという方が作曲されていて、星めぐりの歌は、原作を創った童話作家の宮沢賢治自身が作曲したものとのことです。
カンパネルラは、死別した賢治の妹トシなんでしょうね。
「銀河鉄道の夜」は、子供の頃から死とかあの世とつながっているイメージがどうしても作品の中から感じられていました。
私は、この作品を子供の時に見て良かったなと思います。いま、決してこういう作品は地上波で流れることはありません。
80年代〜90年代はこういうものが普通に地上波で流れていました。
だから、物事や世の中を輻輳的に見ること出来ているのだと思います。
今、コロナ禍で大切な方を亡くされた方もいらっしゃると思います。
カンパネルラとの別れ、いつの間にか大切な人がいなくなってしまう。
消えるようにいなくなってしまう世の中です。
今の自分の近くにいる大切な人との時間を大切にしてください。人はいつかは別れなくてはいけないですが。かりそめの時間、ひとときの時間はいつしか消えてしまう。
だからその時間を大切に...
この作品はそれを伝えているような気がしています。
■午后の授業
「ではみなさんはそういうふうに川だといわれたり」
「乳の流れたあとだと言われたりしていたこのぼんやりと白いものがほんとうはなにかご承知ですか」
「ジョバンニさんあなたはわかっているのでしょう」
ますむら・ひろし 「銀河鉄道の夜」より
■宮沢賢治 「青森挽歌」抜粋
とし子はみんなが死ぬとなづける
そのやりかたを通つて行き
それからさきどこへ行つたかわからない
それはおれたちの空間の方向ではかられない
感ぜられない方向を感じようとするときは
たれだつてみんなぐるぐるする
((耳ごうど鳴つてさつぱり聞けなぐなつたんちやい))
さう甘えるやうに言つてから
たしかにあいつはじぶんのまはりの
眼にははつきりみえてゐる
なつかしいひとたちの声をきかなかつた
にはかに呼吸がとまり脈がうたなくなり
それからわたくしがはしつて行つたとき
あのきれいな眼が
なにかを索めるやうに空しくうごいてゐた
それはもうわたくしたちの空間を二度と見なかつた
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