【2024.9.17:9/4 OST配信開始 & 9/15最終話放送終了に伴い、全話分の使用曲を追加し改訂】
2024年7月7日から9月15日までTV放送されたTBS系日曜劇場「ブラックペアン2」。そのドラマ内で使用された曲をリストにしました。このドラマでは毎回行われている手術シーン等でクラッシック音楽が多く使用されていますので、それらをメインに選曲しています。
#1 ニコロ・パガニーニ作曲 24のカプリース 作品1 第24番イ短調
使用されたシーン:(第1話)チェ・ジウ演じる患者パク・ソヒョンへの手術シーン
パガニーニはその卓越した演奏技術を「悪魔に魂を売り渡してその技術を手に入れた」と評された天才バイオリニスト&作曲家。「カプリース」とは日本語で「奇想曲」のこと。この曲はたった16小節の主題があらゆる奏法で奏でられている。バイオリンの高度な技術が天城雪彦の天才的な技術とリンクしている。
#2 L.V. べートーヴェン作曲 ピアノソナタ第8番「悲愴」 第3楽章
使用されたシーン:(第2話)洋菓子店主、繁野へのダイレクトアナストモーシスの手術シーン
ベートーヴェンの三大ピアノソナタの一つ。この曲を作曲した当時、ベートーヴェンが難聴となり始めた頃で、ベートーヴェンがわが身を悲観しそのタイトルを付けたともいわれている。
#3 サン・サーンス作曲 交響詩「死の舞踏」
使用されたシーン:(第3話)天城先生と世良先生の2人による生活保護受給者、正司花江演じる梶谷年子の手術(ミックスオフポンプ・アナストモーシス)のシーン
番組ではヴァイオリニストの高松あい氏が演奏する楽曲が使用されたが、配信されていないため、他アーディストのViolinで演奏される楽曲を選曲。「死の舞踏」はサン・サーンスがフランスの詩人カザリスの幻想的な詩から霊感を得て作曲した。
#4 モーリス・ラヴェル作曲 ボレロ
使用されたシーン:(第4話)竹内涼真演じる世良先生が、美和の母親に行った冠動脈バイパス手術シーン
番組では【→Pia-no-jaC←】(ピアノジャック)演奏の楽曲が使用された。CD化はされているが未配信のため、のだめオーケストラ版を収載。
ラヴェルに国際的な名声をもたらした名曲。同一のメロディ、リズムが楽器を変えてひたすら繰り返され、曲全体でクレッシェンドとなりエンディングで最高潮に達する。
#5 ジョアッキーノ・ロッシーニ作曲 「ウイリアム・テル」序曲 ~スイス軍の行進
使用されたシーン:(第5話)エルカノを使用した公開オペの、天城先生登場からクライマックスまでのシーン
ロッシーニ最後のオペラ作品である歌劇「ウイリアム・テル」の中でも特に有名な曲。天城先生のハイテクニック、あざやかなオペシーンをトランペットが活躍する「スイス軍の行進」で表現
#6 ニコロ・パガニーニ作曲 ヴァイオリン協奏曲第2番ロ短調 作品7 第3楽章ラ・カンパネラ
使用されたシーン:(第5話)世良先生がソヒョンの手術を天城先生に相談しに行った時に、天城がヘッドホンで聞いていた曲
パガニーニの曲の中でも特によく知られている曲。後年、フランツ・リストがこの曲を基にピアノ曲の「パガニーニによる大練習曲」を編集した。このピアノ曲「ラ・カンパネラ」はフジコ・ヘミングの演奏で有名。
#7 ジャック・オッフェンバック作曲 オペレッタ「天国と地獄」(地獄のオルフェ)序曲 第3部
使用されたシーン:(第5話)恵俊彰演じる木崎社長の手術直前に、天城が木崎がだまされていたことを説明するシーン
もともとは作曲家グルックが作曲した「オルフェオとエウリディーチェ」をオッフェンバックが面白おかしくパロディー化した曲。ドタバタ感、躍動感のある旋律から、日本では昔から運動会のBGMとして使用されていた。ドラマで使用されたmarasyの演奏が配信されているのでそちらを収載。
#8 ヴィットリオ・モンティ作曲 チャルダッシュ
使用されたシーン:(第6話) 天城先生が医師免許を取得した猫田&エルカノダーウィンとともに早川先生の手術を行うシーン
元々はマンドリンのために書かれた曲。日本ではヴァイオリンやピアノ向けに編曲されたものが良く知られており一般的で、激しい曲調からスポーツ関係のBGM(浅田真央のエキシビジョン等)に使用されることが多い。このリストでは番組で使用されたアコーディオン(バンドネオン?)演奏に近いものを収載した。
#9 フランツ・ペーター・シューベルト作曲 歌曲「魔王」作品1D328
使用されたシーン:(第7話) 天城が上杉会長の手術を行うシーン。
「魔王」はドイツの文豪ゲーテの詩に触発され、シューベルトが曲をつけたもの。この詩では高熱を出した子を抱き、医者のところへ馬を飛ばす父親を描いているが、ドラマでも上杉会長親子の「父と子」がテーマとなっていた。ドラマ内ではmaracyの「ちょっとつよい魔王」が使用されているが未配信のため、ピアノ演奏版を収載。
#10 エドワード・エルガー作曲 威風堂々
使用されたシーン:(第7話) 佐伯教授と菅井教授が協力しエルカノダーウィン使用によるダイレクトアナストモーシス手術を行うシーン
「威風堂々」とはシェイクスピアの戯曲「オセロ」第3幕の台詞から取られたタイトル。文字通りニ長調の明るく、激しい調子の前奏に続いて、勇ましい行進曲となっている。この旋律はイギリスにおいては「希望と栄光の国」と呼ばれて合唱を付けて演奏されており、「イギリス第2の国歌」と称されている。
#11 フレデリック・ショパン作曲 ポロネーズ第6番変イ長調作品53「英雄ポロネーズ」
使用されたシーン:(第8話) 緑内障のため針先が見えなくなってしまった佐伯教授が世良の助けを借りて血管を縫い合わせる手術を行うシーン
ポロネーズとはフランス語で「ポーランド風」の意味でポーランドの民族舞踊の一つ。ポーランド出身であるショパンの愛国心が詰まった、力強いリズムで人気が高い作品。
#12 フランツ・リスト作曲 超絶技巧練習曲第4番 S139-4 マゼッパ
使用されたシーン:(最終話) 徳永さんの胃大網動脈を摘出しようとするも血管がないことが判明。佐伯教授が「下腹壁動脈」の存在を思い出すシーン。
もともとはリストがヴィクトル・ユーゴーの叙事詩「マゼッパ」に感銘を受けて作曲したと言われる。この「超絶技巧練習曲」は通常は2段の楽譜が3段譜で書かれており、演奏には高度な技術が必要となる。唯一ダイレクトアナストモーシス手術が可能なディアブル(悪魔)天城を、この超絶技巧「マゼッパ」が表現している。
#13,14 ブラックペアン2オリジナルサウンドトラックより メイン・テーマ、神に愛された悪魔
使用されたシーン:全話で使用
2024年9月4日に配信開始(メインテーマのみ一部で先行配信)。ヴァイオリンの奏でる高音の主題が印象的。
#15 その先にあるもの 作詞・作曲・歌 小田和正
使用されたシーン:「ブラックペアン2」の主題歌で、毎回エンディング付近で使用される
ソニー・ミュージックより2024年7月7日、ブラックペアン2の初回放送日に配信開始された
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