AWA
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HAYAMIMI 004ではこの企画を表に拡散するタイミングということなので、バラエティに富んだ内容にしたかった。しかしながらあまたある新鮮なものを選んでそのなかからAWAに存在してるものに絞り、なおかつここにリストにする際にまた精査する。この工程で様々なタイプを選ぶ選択肢の幅はそう多くない。結果的にハードサウンドのものは皆無。基本リラックスして聴ける歌ものが中心。とはいえ、これも世界のながれのひとつ、耳の早い世界のリスナーの傾向は過度に音圧の高いコンプレッションサウンドのダンスチューンではなく、美しい旋律、和製に気持ちが向いているようだ。それでは参りましょう。 01 KAYTRANADAはここ4~5年に出てきたR&B HIPHOPのプロデューサーの中でもっとも注目に価する一人で、特筆すべきはEDM以降のR&Bではなく90年代から連綿と続くそれらの同軸にありつつ、ジャストなグルーヴの軸をずらしたような独特のビート感。リミキサーとして名をあげて待望のアルバムが昨年アウト。 AWAで聴けるのはこの2013リリースのこの 「AT ALL」今でも、いや今だからこの初期の異色の実験的サウンドが新鮮 02 ブルックリン出身のデュオ Yellerkinのメンバーで、Adrian GalvinのソロプロジェクトYoke LoreのデビューEPからHold Me Downの同じくNYのGilligan Mossによるリミックス。エレクトロ後期のニューレイヴ感とカリビアンのような軽快なリズムアプローチが小気味いいダンスチューン。 03 こういうカテゴライズの難しい透明感のあるヴォーカルチューンはここ最近UKが主流。日本ではリスナーや支持層が全く見えてこないがぼくは実際に車なんかで繰り返し聴くのはこういう曲だ。ドラムらしいものもなく、淡々と続く変拍子とポリリズムのトラックにこんなにビッチリヴォーカルを乗せられるという時点でこのクオリティと音楽性の高さを物語っている。要注意だ、LE SON。 04 LUCASV、全く情報が見つけられないんだけどどうやらPARIS出身で世界を転々としてるインディのアーティスト。いやしかし、AWAで聴けるってすごいな。チルアウトというにはメランコリック過ぎるトラックとヴォーカル。叙情的な風景描写にも取れる繊細な楽曲。 05 LYVES “FARKEST HOUR”、またもロンドンか、、、、英国盤RHYEとも取れる高音で歌う男性ヴォーカル。楽曲の重さは北米の比でなく、ロンドンのいっこうに晴れることのない分厚い曇り空がそうさせない。エモーショナルなものほどお国柄が出るのか米国産でこの温度感だとおそらくぼくは聴かないな。 06 UK発のクリエイターで近年出色の存在、EDM以降の手法ながらもFOUR TETなどを思わせるインテリジェントな曲が多い。 07 HENRY GREENまたもやUKで女性的男性SSW/PRIDUCERの登場、21歳、ませてるな〜。美しい声と透明感のある曲と少ない楽器構成、この要素は昨今の世界的なひとつのながれを感じる。しかし似たようなものばかりになる危惧もないわけではない。でも少なくともHAYAMIMIに登場している楽曲はその限りではなくそれぞれの個性が立っているとおもう。 08 BAYNK、詳細な情報はなく、ニュージーランドのプロデューサーらしく、ヴォーカルはゲスト迎えるスタイルらしい。POST EDMなリラックスしたダンストラックで、ぼくが提案するSOFA DISCO(ソファでリラックスしながらも体が動くようなダンスチューン)の定義にすっぽりはまる。POST EDMのマナーにならってCHO部のヴォーカルはループしたりピッチを大きく変化させたりするスタイルで、ともすれば「ああ、これね」になりがちなアプローチをトラックのシンプルさと緩さで回避。バランス感の良いクリエイターかもしれない。 09 BRONO MAJORもう書いていて飽きるほどUKベースで男性で繊細な歌声のソウル的アプローチは多いのだけど、この人はどちらかというと正統派のR&B根ざしてやってるかも。D’ANGELOの白人版というと言い過ぎかもしれないけど、トラックのノリはそっち系。他の曲をもっと聴かないとなんとも言えないが、ソングライティングも王道で、UK勢では珍しい。 10 がんばれUS勢。ワシントン出身のGOLDLINKはいわゆる新世代のアメリカナイズされていないラッパーの部類に入るかと思う。ブラックアメリカンアフリカンかどうかもわからないけど、ギャングスタ系の匂いは皆無。語弊があるかもしれないがむしろTORO Y MOIなどのミックスカルチャーとヨーローッパへのあこがれがこういう一風変わったムードを出しているのかもしれない。何にせよちょっと前にはアメリカから出なかったタイプだ。 11 ROSIE CARNEYはイギリス、ハンプシャーのSSW、所謂本当にギターもって歌う感じの、そして美形の女性シンガー。決して堅苦しくはないんだけど、声が裏返る瞬間がJOANNA NEWSOMを思わせる。うっかりすると聞き漏らしてしまうような薄いバックの音響にギターとヴォーカルだけの曲。でもこの曲の後半のたたみかける同じメロディーの反復は、実はぼくのもっとも好きなパターンかもしれない。素晴らしい楽曲だ。 12 THUNDER CATはFLYING LOTUSなどへの参加で有名なベーシストStephen Brunerのソロプロジェクトらしい。曲は妙なソフトロックといった雰囲気で70年代の楽曲と言われても不思議に思わない。愛らしい曲調で現在のTOP40などには決して入らないタイプのポップスだけに、AWAで発見できたのは嬉しい。 13 karriem rigginsぼくはうっかりチェックしていなかった人。基本は優秀なセッションドラマーでハービーハンコックからエリカバドゥまでこなす一流。AWAではなぜかこういうサンプリングトラック風変わりなものを発見した。 14 WALLACEはシドニーのクラシックソウル系のシンガーらしい。エイミーやアデル以降の声色を誇張した歌いかたは実はぼくは好きではないが、この曲はバックトラックの軽い4/4ビートとスティールパン、アップライトベースという組み合わせが新鮮で気に入った。いっそインストを聴きたいかもしれない。
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