どこかで聞いたクラッシック音楽11　管弦楽曲集①

クラッシック音楽に馴染みのない方も、何となく聞いたことがある作品のプレイリストです。今回は交響曲、協奏曲以外の管弦楽曲（主にオーケストラで演奏される）作品を集めました。比較的穏やかな曲調のものをリストにしてあります。元気のよい管弦楽曲については次回のプレイリストで取り上げたいと思います。 #1 ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲　管弦楽組曲第3番ニ短調BWV1068 「G線上のアリア」 「G線」とはバイオリンの4本の弦の中で、一番太く最低音を奏でる「第４弦」のこと。バイオリニストのヴィルヘルミがG線だけで弾けるヴァイオリン曲に編曲したため、「G線上のアリア」と呼ばれるようになった。「アリア」とは簡単に言うと「歌」のこと。とてもゆったりしたアダージョのテンポで演奏され、多くの人が少し悲しいようなせつないような感情を持つ美しい曲で、古今東西、様々な映画、ドラマ等で使用されている。 #2 ヨハン・パッヘルベル作曲　３つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグニ短調　「カノン」 前半のカノンが「パッヘルベルのカノン」として特に有名。カノンとは輪唱のように複数のメロディーをずらして演奏する技法・その様式の曲のこと。この曲では3台のヴァイオリンが、28回繰り返すベース音に乗せて全く同じメロディーを演奏している。この曲のコード進行は「カノン進行」とも呼ばれ、現在多くの曲がこのカノン進行ベースの旋律となっている。例えばビートルズの「Let it be」もこのコード進行に合わせて歌うことが可能。 #3 グスターヴ・ホルスト作曲　組曲「惑星」Op32から　木星（ジュピター） 組曲「惑星」は７つの楽章からなり、それぞれにローマ神話に登場する神々に相当する惑星の名前が付けられている。他は水星のマーキュリー、金星のビーナス、火星のマルス、土星のサタン、天王星のウラヌス、海王星のネプチューンで、地球の曲は存在しない。各曲の原題には短い説明が書かれており、木星は「快楽をもたらす者」となっている。この曲は2003年に歌手平原綾香のデビュー曲「Jupiter」の旋律に使用された。 #4 ロマン・ホフシュテッター作曲　弦楽四重奏曲ヘ長調　Op3－5　第2楽章　「ハイドンのセレナーデ」 この曲は長らくフランツ・ヨーゼフ・ハイドンの作品と見なされていたが、現在ではオーストリアの修道士、ホフシュテッターの作品であることが明らかとなっている。ホフシュテッターはハイドンの信奉者であり、自らもハイドンの音楽様式にならって作曲を行っていた。本作品は流れるような美しいメロディーで知られており、TVや映画でも良く使用されている。 #5 ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲　弦楽セレナーデハ長調　作品48 1880年に弦楽オーケストラのために作曲された、チャイコフスキーの代表作の一つとして広く親しまれている作品。ハ長調という最も単純明快な調性で書かれている。日本ではこの序奏が現Eテレのクラッシック音楽番組「N響アワー」のオープニングや、人材派遣会社スタッフサービスのCM「022022:オー人事オー人事」篇で使用された。 #6 ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲　弦楽四重奏曲第1番ニ長調作品11　第2楽章　「アンダンテ・カンタービレ」 「アンダンテ・カンタービレ」とは、元々は題名ではなく、速度記号と発想記号のこと。この作品の冒頭に付されていたが、この曲が有名になったことで題名として使用されている。本作品はチャイコフスキーがウクライナの町カミャンカで聞いた民謡に題材を得て作曲した。ロシアの小説家トルストイはこの曲をコンサートでチャイコフスキーの隣の席で聴いて、感動のあまり涙を流した逸話もある名曲。 #7 ピエトロ・マスカーニ作曲　歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲 作家ジョバンニ・ヴェルガによる同名小説のオペラの1曲。穏やかで美しい旋律から多くの作品やCMで使用されている。「カヴァレリア・ルスティカーナ」とはイタリア語で「田舎の騎士道」という意味。この戯曲はドロドロの愛憎劇であるが、この曲は争いが起こる「嵐の前の静けさ」の曲。 とにかく美しい曲なので癒されたい時に聴く曲としてオススメ。 #8 ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲　カンタータ第147番「心と口と行いと命」より　「主よ人の望みの喜びよ」 バッハが1723年に教会の音楽監督に就任した年に作曲した教会カンタータ（声楽曲）。讃美歌「イエス、我が魂の喜び」の詩節を基に作曲した。イエスキリストの誕生や救いの恵みを称える内容。穏やかで美しい旋律から、現在では結婚式やクリスマス、卒業式などで使用されることが多い。TVCM「au三太郎シリーズ」、映画「シン・エヴァンゲリオン」など多くの作品でも使用されている。