あの日の夜 貴方の熱意に押され困惑と狼狽えが入り混じるささやかな意思表示に、私の心がかき乱される。
どちらからともなく唇を重ねていた。
貴方の人柄を表すような優しいキスの感触。
ぶつかる吐息に先程までのお店のお酒の残り香が混じり合った。
口づけが徐々に濃厚さをましていく。
私は両腕を貴方の首に回した。
貴方は私の背中からヒップへとさがっていく。
口づけを交したまま、貴方の熱のこもった手がより一層私の体を熱くする。
貴方に促されるままベッドに押し倒された。
ひんやりしたベッドカバーが火照った肌に心地いい。
仰向けになった体に、貴方の体が覆いかぶさってくる。
体重を、かけすぎない気遣いが嬉しかった。
些細な配慮にこそ男の経験値が透け見えてくる。
耳たぶから首筋、鎖骨に、キスの雨が降ってきた。
熱い吐息が柔らかく肌を撫でていく。
ドレスごしの乳房が貴方の手で覆われた。
私の緊張を解きほぐすようにたおやかに、そして強弱をつけて揉みしだいてくる。
私はしどけなく身をよじらせる。
満足げについた吐息に反して、鼓動が高鳴っていく。
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