泣く泣く夜空

食べれず、眠れない。寝れない。シンクに水滴が時を刻む中、凄い勢いで光がぐるぐる回って目眩がする。外では地球がごーっと言って、臼をゆっくり引き摺るように夜をすりつぶし、引きつれが裂けて朝が空に滲んでくる。今日も今夜もこのシークエンスを朝まで見させられて、目が渇いている。寝るということは大きな海の波に流されるように体が水に満たされること。瞼の緊張が弛み、瞳に温かく厚みのある幕が降ろされると、柔らかな涙の向こうに星ぼしが滲む。そんな感覚だったかと思う。そうであれば良いのに。この部屋に居場所を探す。ベッド、本棚、台所、机と椅子。膝をついて、さ迷って、自分のもの達から拒まれ、居るところが無い。だから膝を抱えてあなたを待つ。糸が切れる前にあなたの腿に頭を横たえて待っていたい。あなたは来てくれるの？ここで待ってていいの？人や本にはその時にあなたが来ると言っている。他の音を聞かないように、あなたの足音に耳を澄ます。何故か、あなたが怒ってドアから乱暴に入って来ることを想像して笑ってしまいました。期待してます。希望します。私の感情は擦りきれてしまったので、何か最後に、強い気持ちをあなたから私にお恵み下さいませ。