令和以来の日本人の亡びの道
そこには信念に殉じる強い意志もなければ
敗北と死という運命の終着点へと向かう者たちの
希望の果て絶望の果てに辿り着いた
辺りがしんと静まり返るような清冽な覚悟と諦念という強さもなく
悲劇によって否応なくもたらされる圧倒的な美の感覚もそこにはない
─そこにあるのは
無機質で冷たい実験室の檻の中で自らの運命だに知ることなく
時折奇声を発しながら
与えられた僅かな餌を無邪気にほうばりながら
やがて機械的に注射をうたれ機械的に焼却処分されていくだけの
ただただ機械的な死を迎えるに過ぎぬ実験動物たちの無感覚の悲劇
ただただ無機質でひんやりした運命だけが
ただただ無造作に横たわっている
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