音楽って良いですね 😌
怖い話②
10年か、20年ほど前のこと。
ある雨の夜、タクシー運転士の私はある場所で初老の紳士から手を上げられた。赤坂だったか、六本木だったか、とにかく繁華街から、一本奥に入った所だ。雨がしとしと降っていた。夜中の一時か二時くらいだった。
その初老の紳士の脇に若い男女が佇んでいて、紳士が言うには、その男女を千葉の奥のある場所まで乗せていってほしい、料金は前払いで渡すとのことだ。
千葉のその場所を良く知っている私は、紳士の申し出を承知した。
雨が降っていた。
カップルが後ろの座席に乗り込んで来た時、私は、その初老の紳士から代金として1万円札を2枚窓越しに受け取っていた。
運賃としては十分な金額で釣りはチップだという。
雨が強くなって来た。
車を出し、高速で千葉に向かう。
後ろ席では二人が何か喋っているようだが、何せ雨音が強いので良く聞こえなかった。
雨が強いので運転だけに集中した。
一時間弱で目的地に着いた。
雨は小降りになっていた。
「着きましたよ」、目的地に着いた私はそう声をかけ、後ろを振り向いた。
驚いた。後ろの席には誰も居ない。
良く良くあたりを見ると、横に墓地がある。
脇を見ると、紳士からもらった2万円はそのままあった。
(終わり)
(怖い話①は、現在作成中ですよ。😁)
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