(ショート ストーリー 「桜会議」)
何年か前の深夜、車を停めて休憩してた時のこと。
この通りは両側に桜の木が並び、有名なところだ。春には花見の人で賑わう。
車の外に出たら月の明かりがまぶしいくらいだった。空を見たら桜の木のてっぺんに何かがいっぱいいる気配がする。何かなぁと思ってじっと見ていたら、なにやらひそひそ話し声が聞こえてきた。
「今年はどうする?」
「そろそろ明日にしよう」
「ひそひそ」
「ひそひそ」
オレには直ぐに分かった。桜の樹の精たちが話し合いをしていた。
やっぱり、桜の樹の精たちは毎年こうやってこの時期になると会議を開いて今年の開花の時期を決めているんだって。オレは前々からそうじゃないかなぁと思っていた。
ある地区とか、ある通りとか、そこにある桜たちが毎年、一斉に開花するのは、桜たちが毎年毎年会議しているからなんだ。
案の定、次の日、その通りの桜が開花した🌸
嘘だと思うだろ?
真っ赤な嘘さ!😌
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