何もできなくて 何も知らなくて この世界に生まれるまでは 勇者の剣も 鉄の盾もなく 争うこと知らずに生きてた やがて 幾度となく 立ち向かって 傷つき傷付け 大切にするべきものも守れず 弱さを知った 魔法なんてなくて 戻ることは叶わないけれど 伝説にはならない ただひとつの 物語を生きてる 夜が来る度に 何かに怯えて 光のような人にも出会えた 巨大な魔物に 立ち向かえたのは ひとりじゃない きみがいたからさ やがて 時は巡り 世界がまた 生まれ変わっても 語り継がれることのないストーリー 紡(つむ)いでいく 魔法なんてなくて 筋書とは違っているけれど 見えない糸を手繰り寄せるように 物語を生きてる 例え 風にふかれ 雨にうたれ 長い夜の中 癒えない傷を抱いて歩いていく それが今のぼく やがて 星になって この姿が消えてしまっても 光になってでも この歌声が どうか届きますように どうか届きますように