僕の瞳は君を映すことに適してる 人混みに紛れててもすぐさま見つけ 出せる おまけに耳は 君の声聞くのに適してる 弱音や愚痴なんかも飽きないで 聞いてやれる それに比べたら 言いたいことは 一つも 言えず仕舞いのまま 今もこの喉元に痞えてるんだ もしもし 喋れない分だけ心が喋っている もしもし 言葉探すけれど どこにも 見当たらない 胸の奥を締め付ける草臥れそうな 想いを 伝えようって思う僕の背中を僕が 押す 眠る前に少しだけ時間を 僕にくれないか 夢で逢える予感のまま 今日一日が終わればいい 髪を切ったようだけど 想像もつかないよ ただあからさまな声で浮かんだのは 得意気な顔さ もしもし 繋がる電話と繋がらない気持ち もしもし 途切れないようにと本音を隠してる 核心に触れた時 上手くかわしてたのは 「君の方だ」 そういうことにしたこの 僕かもしれない 涙こぼれそうだから一人空を 見上げる 受話器からあふれ出した優しくて 残酷過ぎる声 もしもし 喋れない分だけ心が喋っている もしもし 言葉足らずだけどそれでも構わねぇ もしもし 繋がる電話と 繋がらない気持ち もしもし 途切れたその後こっそり泣いていた 止まらない鼻水をすすりながら僕は 「よくやった」って褒め称えた 鏡に向かって 腫れぼったい瞼 みっともねぇや でも君は知らない