長い長い夢の痕跡 不自然な頬を右手でそっと拭った 淡い期待は崩れて また錆び付いた夜と厭に明るい月 堪えていたこと吐き捨てるみたいな 最後を選んだ僕ら 悔やんでももう戻れない 薄れていく匂いに顔埋めた お互いのことを全部知っていれば 繋がっていれば 伝えていれば 感情押し付けなければ それだけで何故か 変わらずにいられると信じていた そうあまりに未熟で痛いな 洗いざらい話す内に 不器用な嘘を 重ねるようになっていた 甘い未来には及ばず ただ透明な朝とやけに生ぬるい風 止まっていた時間を取り 戻すための最後を選んだ僕ら 揺らいだ瞬間気付いたのは 生真面目な君のあたたかさ そぞろ歩いた九月の茜染まる並木道 人混み紛れて握った手の汗と飛遊星 全部全部蘇る ちょっと長いまつ毛も困り顔も鼻を 掻くくせも声も 嫌いなところも好きだった それだけはずっと 変わらない確かにそう信じている ねえやっと言えるよ さよなら