歪なものから順に 排除されてく時代に 真っ先に消えるべき僕を 受け入れてくれた夏の日 世界中が敵ならば すべて憎む事もできた 君の存在を知って その術を失った 「誰かに好かれたい」 「世間に認められたい」 そんな平凡な欲求を 捨てれなくなった 僕はもう無敵じゃなかった 君を守れない事に 怯えてると思ってたけど 守られていたのは僕だった あの部屋は安全な場所だった 一番安全な場所だった 自転車2人乗りで 緑道の桜見に行った ご近所の飼い犬に 勝手に名前つけた 全部うまく行きそうな 瞬間が訪れるのは 必ず君が楽しそうに している時だった 嫌な予感が入り込む隙を埋めたくて 無意味なジョークを夢中で並べ 無理矢理安心しようとした 絶望と希望の挟間を 行き来するような日々だった 「嘘」の上に「嘘」塗り重ねて その上に「嘘」塗り固めた すっかり「本当」 が見えなくなるまで 他人の評価など 構う必要ないくらい 異次元で 感情が様式を なぎ倒していくくらい 強靭な そんな才能が 僕にあったならなぁ 当たり前のように 過ごした日々が 運び出されて ただのからっぽの 箱になった部屋は 呼吸を止めた ここに舞台組んで 通り過ぎた季節を 台本に できたなら 正直な気持ちを 台詞のように 話せるだろうか 余計な演出せずに 今更だよな 日常に起こり得ること全てを 劇場で再現可能だとして その逆もまた真実とするなら どんな夢物語を 僕は君に語ろう 愚か者の仮面かぶって 死に物狂いでふざけあった やがて君は観念したように ようやく泣きながら笑った さいごに泣きながら笑った